秋の花粉症対策のウソ・ホント。マスク、洗顔…などの効果を医師に聞いた
「風邪だと思ったら花粉症だった!」なんてこともあり得るという秋の花粉症。前回、NPO花粉情報協会理事で「医療法人社団左門ふたば会 ふたばクリニック」院長の橋口一弘先生に、秋の花粉症の特徴についてお聞きしました。
秋の花粉症のウソホント。春との違いや対策は?医師に聞いてみた
――秋の花粉症ならではの対策などはあるのでしょうか?
橋口一弘先生(以下、橋口)「基本的には春の花粉症と同じで大丈夫です。ただ、前回お話した通り、秋の花粉症は花粉の飛散エリアが草花の周辺のみと局地的なので、原因となる草花に近寄らないことがいちばんの対策になると思います」
――ネットを中心に、さまざまな秋の花粉症の対策やマナーが噂されています。それぞれの真偽を教えてください。
橋口「これは正しいです。春でも秋でも、ウールやアクリルのような花粉が絡みやすい素材は避けた方がいいでしょう。花粉の舞う時期は、花粉がつきにくく、もしついてもはたけばすぐ落ちる、表面がツルツルした素材がおすすめです」
橋口「洗顔で落とせるのは顔の表面についた花粉だけで、すでに鼻の中に入ってしまった花粉は落とせないので、絶対に発症しないというわけではありません。ただ、まつ毛など粘膜に近い部分の花粉を落とせるので、しないよりはした方がいいでしょう。鼻の中の花粉については、鼻うがいが効果的です。洗顔にプラスしておこなえば、なにもしないよりは症状を抑えられると思います」
橋口「まず、リンゴは『花粉―食物アレルギー症候群(PFAS)※』になる場合もあるので、反応する花粉の種類によっては、口にするとかえって危険な場合があります。
甜茶は含まれる成分がアレルギーに効くといわれていますが、有意差は出ておらず、人によるといった感じのようです。
ヨーグルトは菌種によるので、ヨーグルトであれば何でもいいというわけではありません。花粉症の予防や改善にいいのは「BB536株」や「LGG株」などといわれており、こちらも有意差は出ていないものの、摂取し続けることである程度症状を抑えられた人もいるようです。菌種違いのヨーグルトでは、いくら食べ続けても花粉症の効果は期待できないと思われます。
なお、ヨーグルトは腸内環境から免疫を変えていこうというものなので、今日食べて明日すぐに効果が表れるわけではありません。症状を抑えるためには、花粉症シーズンの2,3ヶ月くらい前から食べ続けていないと意味がないです。『食べたらすぐ効いた』という人は、たまたま花粉の飛散が落ち着いたタイミングだったのかもしれないですよ(笑)」
※「花粉―食物アレルギー症候群(PFAS)」:野菜や果物の根源にかかわるたんぱく質が、花粉症の原因となる草花の花粉抗原と似かよった構造を持っていると、これらの野菜や果物を摂取することで咽頭や唇が腫れたりかゆくなったりすること。
橋口「100%ブロックできるわけではありませんが、鼻の穴の内側に塗ると、ある程度花粉の侵入を防いでくれると思います。マスクと併用すると、より効果的でしょう。目の周りは、眼科医などに相談してからの方が安心です」
橋口「ツボの刺激で効くということかもしれませんが、医学的な根拠は聞いたことがないので、効果のほどはよくわかりません。でも、刺激に敏感になっているときに50回も擦ったら、皮膚を傷めてしまいそうですよね」
今回は、巷でウワサの秋の花粉症対策の真偽と、見落としがちな注意点について教えていただきます。
【前回記事】⇒巷でウワサの花粉症対策はウソ? ホント?
ウール素材は花粉がつきやすいから着ないほうがいい
帰宅後すぐに洗顔すれば発症しない
花粉症の予防には「リンゴ・甜茶・ヨーグルト」がいい
目や鼻の周りにワセリンを塗ると花粉をブロックできる
小鼻のくぼみを50回擦ると症状が軽くなる
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