3番目のご質問の、流行に左右されにくい、長く着られるものについては、若干ですが、あります。それはデザインとしての完成度が高く、世界各地の服飾美術館で展示される可能性のある、コレクションで発表されたような「作品」と呼ばれる製品です。 　例えばロンドンにヴィクトリア＆アルバートミュージアムという美術館があります。そこにはディオールからヴィヴィアン・ウエストウッドまで、さまざまな衣服が展示されています。そのほとんどは今着ても通用するほど、流行をこえたデザインのものばかりです。そんなものならば、流行が移り変わっても、長く着ることができます。

この投稿をInstagramで見る

Victoria and Albert Museum(@vamuseum)がシェアした投稿 – 2019年 9月月28日午前9時00分PDT

　そのほかでは、インド風、アフリカ風などのエスニックスタイルの服は流行の影響を受けにくいものです。 　例としては、デザインは日本やアメリカ、フランス、イギリスだけれども、インド生産のインド風の服がそれに当たります。 　また、アイテムとしては、流行のシルエットがわかりやすいコートやジャケットよりも、ブラウスやシャツ、セーター、スカート、パンツ等、全身を覆わないアイテムのほうが、シルエットが変わっても次のシルエットのジャケットやコートに合わせることができるので、実際には着やすいでしょう。 　ただし、それでもシルエットは変わりますので、着ても違和感のない時期と、そのときのシルエットには合わないと感じる時期があることは確かです。 　2番目の質問者がお持ちのシャネルのワンピースについては、拝見していないので、そのシルエットのどこが「古い人のよう」なのかはわかりません。 　ただ推測するに、80年代と今とで大きく違うのは肩パッドなので、もし変に大きな肩パッドがついているのだとしたら、まずはそれを取ってみるといいでしょう。 　また、ウエストが太すぎる場合は、脇を少し詰めて、お直しすることもできると思います。 　そのほかできるのは、着るときにベルトを合わせてみる、ロングカーディガンを上から羽織る、ジャケットの下に着るなど、1枚では着ないで、他のアイテムと組み合わせる方法です。鏡の前でいろいろ試してみましょう。 　それでもまだ古く見える場合は、そのシルエットがしっくりくるまで流行が移るのを待ってみましょう。シャネルの製品は、まさに美術館に飾られるような「作品」なので、手放す必要はないでしょう。 【小林直子さんの過去記事】⇒「一生もののコート」ってある？その選び方と買い時 ＜文／小林直子＞ ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】