婚約者の実家に帰省したら、一族ごと新興宗教の信者だった。彼に問いただすと…
後日、彼を問いただすと……
「『正直、そこを問題視する感覚が全然わからない』と言われました。私の家も、お寺にお墓があるでしょって。
『別に、結婚したら入信しろと俺は言わないけど、死んでお墓に入るってなったら、やっぱりウチの墓ってことになるのかな。そうなると、やっぱり(その宗教に)入ってもらうことになるのかな?』……って」
その一言で、菜摘さんの心は心配度マックスを飛び越え、不信感に変わったそうです。“入籍したらゴマかされて、私の意思はないがしろにされそう”…そんな印象を受け、結局彼女は婚約破棄という選択をしたのでした。
「今でも後悔はしていません。正直、思想や信仰の問題は難しいとは思うものの、もっと早くに共有してもらって、話し合えていたなら違ったかなって思います」
相手を好きな気持ちだけでは解決できない、この種の問題。どうするべきか、正解は2人の心の中だけにあります。
―シリーズ「帰省の悲喜こもごも」―
<文/しおえり真生> 1
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