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婚約者の実家に帰省したら、一族ごと新興宗教の信者だった。彼に問いただすと…

後日、彼を問いただすと……

 モヤモヤをめいいっぱい抱えたまま帰省は終了。その後は観光を何事もなかったように楽しんだものの、最終日、菜摘さんは思い切って彼に聞いてみました。 「結婚する前に1つ確認したい事があるんだけど、って正直に言いました。偏見はないつもりだけど、“隠していたのか?結婚するにあたって、その手の問題をどう考えているのか?私は結婚したら入信しなくちゃいけないのか?”について。混乱もあって、一気にバーって言った気がします」  ドキドキした直談判。しかし彼は、意外にも「え?そんな話?」と、拍子抜けした様子だったとか。 「彼の言い分は『隠していたつもりは全然なかった』でした。むしろ、『祖父母の代からずっと入信していた家族信者だから、当たり前すぎて、普通の家に仏壇があり、お墓がお寺にあるのと、そう変わらない認識だった』と言うんです」  たしかに生まれながらにそうだったら、そうなのか……。と菜摘さんも一瞬納得したものの、抵抗感があったのも事実。その宗教が良い悪いではなく、問題は「妻になる人には話しておくべき」と気づかない彼の鈍感さでしょう。  彼に今後結婚したらどうしていきたいかを聞くと、悲しい答えが帰ってきたといいます。 破局、別離、別れ「『正直、そこを問題視する感覚が全然わからない』と言われました。私の家も、お寺にお墓があるでしょって。  『別に、結婚したら入信しろと俺は言わないけど、死んでお墓に入るってなったら、やっぱりウチの墓ってことになるのかな。そうなると、やっぱり(その宗教に)入ってもらうことになるのかな?』……って」  その一言で、菜摘さんの心は心配度マックスを飛び越え、不信感に変わったそうです。“入籍したらゴマかされて、私の意思はないがしろにされそう”…そんな印象を受け、結局彼女は婚約破棄という選択をしたのでした。 「今でも後悔はしていません。正直、思想や信仰の問題は難しいとは思うものの、もっと早くに共有してもらって、話し合えていたなら違ったかなって思います」  相手を好きな気持ちだけでは解決できない、この種の問題。どうするべきか、正解は2人の心の中だけにあります。 ―シリーズ「帰省の悲喜こもごも」― <文/しおえり真生>
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