「彼は月に1回くらい発狂するのがお約束なんです。理由は将来への悲観で『このままバーのバイトをしてていいのだろうか』みたいな感じで夜中に叫んだりするんです。そういうときはお酒を飲ませて寝かせるのがお決まりなのですが、その日は台所から包丁を出してきて『
一緒に死のうか』と言ってきたんです」と真由子さん。

「まぁ、普通ならどう対応するのか分からないんですが、そのときは私も酔っていたので『
いいよ、死のうか』と言って包丁を彼の手から取り上げたら大人しくなりました。正直、死ぬ気がないのになんて人騒がせな奴なんだろう……と、心の中では冷めた目で見ていましたね」
それでも、依存してくる彼をなんだかんだ邪険にはできず、1年以上の半同棲が続いたという真由子さん。そんな彼と今は別れたといいますが、理由はあったのでしょうか。
「メンヘラというか病んでいる人と一緒にいると病みが感染ってくるんですよ。それで私がおかしくなってしまって。彼や他人に対して疑心暗鬼になってきちゃったんですよね。
それで彼に対して冷たくしていたら向こうからアッサリ離れていきましたね」
自称メンヘラ彼と別れてしばらくした後に今の彼と出会い、真由子さんの体調も回復していったそう。当時のメンヘラの彼氏のことを真由子さんはこう振り返ります。
「もしかしたら彼は本当に心の病気だったのかもしれないけれど、病院で診断されたというわけじゃないで実際のところは分からないですよね。私が彼を受け入れていたから甘えていただけなのかも。それに私も彼を支えることで彼に依存していたのかもしれないですね」
一見イケメンでも、裏の顔は「メンヘラ男子」……なんてこともあるのかも。恋愛におけるメンヘラは「相手に依存しないと生きていけない」という精神状態のことを指しているのかもしれませんね。
<文/結城>
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ライター・社会取材系。子育てや家庭問題、現代の生きづらさなど、社会の現実に根ざしたテーマを取材し、読者に考えるきっかけを届ける記事を執筆。