外泊禁止の彼女に弾丸日帰り旅行をプレゼント。厳しい父になんと直接交渉?!
現在はなかなか旅行に行きづらい時期ですが、大好きな彼氏との旅行は、恋する2人にとって大きなイベント。思い出作りのためにも早く旅行に行きたいと願っている人も多いはず。
ですが、なかには「父親が厳しい」などの理由で旅行を認めてくれないといった話もよく聞きます。今回はコロナ流行前に彼と2人で旅行をした女性の話です。
箱入り娘として育てられた沢崎瑠未さん(仮名・27歳/図書館司書)は、社会人になった今でも外泊禁止を言い渡されているそうです。
「大学の女友達との卒業旅行だけでなく、就職後も泊りがけで旅行に行くことは絶対に認めてもらえませんでした。正直、恨みましたが反抗する勇気もなく、そういう厳しい父の子に生まれたから仕方ないと諦めていました」
しかし、父親も社会人になった娘の恋愛にまで口を出すことはなく、瑠未さんは友達を通じて知り合った同じ年の男性と恋に落ち、そのまま付き合うことに。
それでも彼氏と泊りがけの旅行は、父親がかたくなに反対。何度お願いしても決して許してくれなかったといいます。
「カレには付き合う前からウチの事情を伝えていたので、無理に旅行に誘ってくることはありませんでした。でも、いろいろと考えてくれていたようで、『日帰りというルールさえ守れば、ちょっと遠くに旅行に行ってもいいのかな?』って聞いてきたことがあったんですね。
ウチは前もって話しておけば、帰りが多少遅くなる分には大目に見てくれたので、たぶん大丈夫だよって伝えたんです。そのときは何やら考え込んでいるような顔をしていましたが、ふだんも時々そんな顔をしていたから特に気にしませんでした」
すると、それからしばらく経ったある日、「来週の土曜日、秋田へ旅行に行こう」と急に提案してきた彼氏。ポカンとした表情の瑠未さんに「大丈夫、日帰りだから」と話し、旅行のスケジュールについて説明してきたそうです。秋田に日帰りとは、かなりハードですね。
「その日は前々から空けておいてと言われていたんですが、まさか飛行機を使っての日帰り旅行を計画していたとは想像もしていませんでした。
しかも、秋田はカレが小学校のころまで住んでいた場所。今は千葉にご両親が住んでいるのですが、私もカレがどんなところで育ったのか一度行ってみたいとは思っていたんです」
ただし、いくら日帰りとはいっても行先は都内にある彼女の家からは450㎞も離れた地方。遠方であることを理由にやっぱり反対されるかも、と不安だったと当時を振り返ります。
ところが、おそるおそる父親に話してみると「彼から話は聞いている。楽しんできなさい」とあっさり許してくれて拍子抜けしたとか。
「カレはデートの帰りに私を家に送り届けてくれた際、父に挨拶して面識はあったのですが、まさか直接旅行の話をしていると思ってなかったのでビックリしました。
父は子供のころから『物事の順序はきちんと守りなさい』と口うるさいほどに言い、カレの行動が父から見て筋を通していると思えたのかもしれません。ガラにもなく『誠実そうな人じゃないか』って誉めていましたから(笑)」
ちなみに旅行当日は、彼氏と朝早く羽田空港に向かい、7時過ぎの始発便で秋田空港へ。その後、レンタカーでなまはげで有名な男鹿半島、武家屋敷が並ぶ角館などを観光。
途中、彼が住んでいた町にも立ち寄り、通っていた小学校やよく遊んでいた公園などにも訪れ、当時の思い出などを語ってくれたそうです。
「ここまでわざわざ連れてきてくれて、子供のころの記憶に触れさせてくれるってすごく幸せだなって。東京に戻るのが夜8時台の最終便だったので、思った以上に長く滞在でき、日帰りでものんびり過ごすことができました」
限られた条件の中で、彼女が憧れていた旅行をプレゼント。そこに彼氏の優しさを感じます。
一緒に過ごせればどこに行っても楽しいでしょうけど、この彼氏のように自分が育った場所など心の原風景に触れさせてくれる旅もちょっと素敵ですね。
―シリーズ「思い出深いギフト」―
<文/トシタカマサ>
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トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。