正直、料金を聞いて引いてしまったといいます。

「ちゃんと検査して申請すれば助成金も出るとは言われているのですが、そこまで妊活に熱意を注げなかったというか……。大学の親友も10年以上妊活しているのに1度も妊娠すらできていないというし……。
親は『子供、子供』と言うけれど、そんなに言うのなら親がお金を出してよ……とすら思っちゃったんです。もう、この時点で自分にそこまで妊娠したいという熱意がないということですよね。
旦那も特に焦っている様子はなくて『
自然にできたらそれでいいんじゃない』という感じ。私もそれには賛成で、
お金と時間をかけてまで子供を作りたいという気持ちにどうしてもなれなくて……今でも、その気持は変わりませんね」

2年前に夫婦で旅行したカンボジアの離島。旅先で夫婦で夜遊びができるのも、子供がいないからこそできる楽しみの1つだそう。
過去に妊娠したことのない菜穂さんが子供を作るとなると、それなりの時間や費用もかかってくるかもしれません。それを無理したくない、と菜穂さんが出した答えが「子供を作らない」という選択に至ったといいます。
「子供ができなくても夫婦仲は変わらずです。
年に2回の旅行も継続していて、コロナが収束したら次はメキシコに行きたいねと話しています。今は2人ともテレワークをしていますが、同じ会社なのでそこまでストレスもたまらず。
もし、子供がいたらまた違っていたのかもしれませんが、いまのところケンカもありません。
最近は外出できないので、2人で家で料理をしたり映画を見たり。夫婦というか仲の良い友達のような感じです」
子供を作ることに対して同じ考えを持つ橋本さん夫妻だからこそ、温度差が生じずに上手くいっているのかもしれません。子供を作るという選択は夫婦が決めること。橋本さん夫妻のように、自分達の無理ない範囲で選択するというのも一つの人生だと思います。
<文/結城>
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ライター・社会取材系。子育てや家庭問題、現代の生きづらさなど、社会の現実に根ざしたテーマを取材し、読者に考えるきっかけを届ける記事を執筆。