引退発表のブルース・ウィリス、数年前から症状悪化。元子役は「言葉がない」と沈痛
映画『ダイ・ハード』シリーズなど、数々のヒット作で知られる俳優ブルース・ウィリスが、失語症を理由に引退を発表した。現地メディアは、しばらく前から撮影現場でのブルースの様子に異変があり、症状が悪化していたと報道、これを受け最低な映画・俳優におくられるラジー賞の受賞が取り消された。映画界からは惜しむ声が続々寄せられ、過去に共演した元天才子役も沈痛コメントを発表した。
米誌『ロサンゼルス・タイムズ』は、共演者や映画関係者の話として、数年前からブルースが撮影中に言葉に詰まるようになり、周囲の状況をしっかり把握していないこともあったと伝えた。
2021年公開の映画『アウト・オブ・デス』のマイク・バーンズ監督は、主演だったブルースのせりふを短くするよう要請を受け、実際に短くしたものの言葉に詰まることがあったと証言。別の映画の撮影現場では、ブルースが撮影の段取りを忘れてしまい、あわや事故が起きそうになったという。
ときには、撮影現場で「俺はなんでここにいるんだ?」と話すこともあったというブルース。今後公開が予定されている映画『White Elephant(原題)』の監督で、数十年来の付き合いがあるジェシー・V・ジョンソン監督は、「私の知っているブルースでないことは明らかだった」と話している。
こうしたなか、毎年恒例となっている最低映画の祭典、ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)は、ブルースの受賞を撤回すると発表した。
その年の最低映画や最低俳優を選出する同賞だが、今年は「2021年の映画でブルース・ウィリスが演じた最悪の演技」という新たな部門を特設。先日、2021年にブルースが出演した全8作品から“最低演技”を選出していた。
けれども、ブルースが失語症の診断を受けたことを公表したため、同賞が取り消されることになった。同賞の共同設立者ジョン・ウィルソンとモー・マーフィは次のような声明を発表た。
「熟考の末、ラジー賞はブルース・ウィリスに授与した賞を、最近公表された診断により取り消す決断を下しました。意思決定や演技において、病状がその1要素であった場合、ラジー賞を授与するのは不適切だと認識しています」



