“子どもの学びのチャンス”は意外な場所にあった。東大卒の“スーパーマーケット”専門家が教える
スーパーを、楽しい学びの時間にするために。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
みなさんは子どもと一緒にスーパーマーケットに買い物に行くことはありますか?
私は食育とスーパーマーケットを専門にする立場として、ある相談を受けることがあります。それは、しっかり買い出しを済ませたいのに、子どもがついてくることで落ち着いて買い物ができない、ぐずられて対応に困るといったようなことです。
ひとたびこのような悩みを抱えてしまうと、せっかくの買い物が楽しくなくなってしまうどころか、子どもにとっても良い時間にはなりません。コレ、我慢しなければならない試練なのでしょうか?
答はノー。実はスーパーマーケットは食育の源泉になりうる素晴らしい場所。ちょっとした発想転換をすることで楽しい学びにつなげることができると、私は考えています。
そこで今回は、我が家(小学2年生の男の子)での実践エピソードをご紹介しながら、今日からすぐにはじめられる“親の心得や工夫”について一緒に考えていきたいと思います。
まずは、みなさんご自身の“買い物に対する意識”について確認するところからはじめていきましょう。
もしかすると「育児や仕事の合間を見つけて買い出しをしなければならない」という状況かもしれません。改めて、私もその気持ちに共感しつつ、本当におつかれさまですと申し上げたいです(当たり前だろと思われていて、誰も言ってくれないですよね)。
そうです、「買い物は親がしなければならない切羽詰まった義務的な行為」という考えを強く持っていませんか? もしそうだとしたら、月に一度だけでも少し考え方を和らげてみるのはいかがでしょうか?
例えば月に一度、子どもとスーパーでの買い出しを楽しい時間として決めて、どうせなら学びにもしちゃおうという発想です。
私は子どもと一緒に生活をする上で、勉強以上に大切にしていることがあります。それは、「食卓は家族みんなで作るもの」という考え方。
食生活をやりくりすることは、勉強や習い事よりも根源的であり、毎日そして一生続く大事なテーマです。子どものうちから能動的な思考や行動ができるようにしておくことは、将来大きな差になっていくことを自分自身の体験を通して実感しています。
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それでは実際に私が息子と実践していることの中から、誰でも今日からすぐにはじめられる3つのアイデアをご紹介します。
⇒食品ロスや環境問題に興味を持つきっかけに。主体性を養う
子どもと一緒に買い物に行くと言うことを聞いてくれない。その理由は、ごはんはお父さんお母さんが作ってくれるものという価値観を持つ子どもにとって、スーパーには確かな目的や喜びがないからです。まずはその状況を変えていくことを考えましょう。
手法は一つに限らないとは思いますから、我が家ではさまざまな目的を設定するようにしています(子どもには伝えなくてOK)。
例えば、サミットストアで実施されている「もぐもぐチャレンジ」という企画があるのですが、これは賞味期限が近づいた値引きシールとセットで貼られている食品ロス対策の取り組み。
我が子はこのリスのシールを見つけて、カゴに入れるのが楽しいようで、家計にとっても嬉しく、家族全員の喜びにもつながります。もちろん食品ロスの概念について自然と学ぶ機会に。
そしてもう一つは、時間を見つけて「買い物メモ」を書いてもらうようにしています。
買い物を少しでも主体的に捉えてもらうために、自分が何を買わなければならないのか、子どもにもやりくりを考えてもらいます。
「買い出しは義務」という発想を変えてみる
①子どもに目的や楽しみを持たせる
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