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柴咲コウ『35歳の少女』がアクセル全開。“地獄のすき焼き会”にゾクッ

 柴咲コウが主演、『家政婦のミタ』『同期のサクラ』の制作チームが再集結したドラマ『35歳の少女』(日本テレビ系、土曜夜10時~)が、10月10日から始まりました。
『35歳の少女』

(※画像:日本テレビ『35歳の少女』公式サイトより)

 これは、10歳の少女がある日事故に遭い、25年眠り続けた後に35歳で目を覚ますという物語。  強烈な刺激を伴うとから、とかく賛否が分かれがちな遊川和彦脚本ドラマで、遊川×柴咲コウは『〇〇妻』(日本テレビ系)以来、5年ぶりのタッグとなります。

脚本・遊川和彦の悪趣味的サービス精神

『〇〇妻』といえば、NHK連続テレビ小説『純と愛』(2012年-2013年)から引き続き、主人公を最終的に奈落の底に突き落とさなければ気が済まなかった“暗黒時代”の代表作の一つ。  とはいえ、近年は『過保護のカホコ』(日本テレビ系)、『ハケン占い師アタル』(テレビ朝日系)、『同期のサクラ』(日本テレビ系)など、“希望”を描く作品が続いているだけに、さすがに「25年間眠り続けていた」内容とはいえ、そこまでのうつ展開はないだろうと読んでいた視聴者が多かったことでしょう。  しかし、そんな視聴者の裏の裏をかき、どこまでも驚かせようという悪趣味的サービス精神の旺盛さが、本作では初回から遺憾なく発揮されていました。

序盤からゾクッとさせる描写の連続

 25年間眠り続けていたにもかかわらず、母親の献身的な介護のおかげとはいえ、十分筋肉なども立派に育ち、大人の女性の身体になっている望美(柴崎コウ)。しかし、そんな自分を見つめる、変わり果てた白髪の母・鈴木保奈美の姿に「誰? このおばあちゃん?」とつぶやく「心の声」が10歳のままであることに、序盤からゾクッとします。  それを「悪夢」と信じる望美ですが、もっと怖いのは、回想シーン。望美の事故をきっかけにじわじわと壊れていき、今は別々に暮らす「家族」が、そんな現状を隠して望美の退院祝いの夕食会を開きます。そのメニューは、望美が事故に遭った日と同じ「すき焼き」。「やり直す」意味があるとしても、かなりの悪趣味全開ぶりです。  そして、そこに招かれたのは、望美に『モモ』の本を貸していた、望美の初恋の人・結人(坂口健太郎)でした。
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坂口健太郎の登場で、ますます地獄絵図に
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