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『逃げ恥』でネット激論。「最高!」から「嫌い」まで真っ二つ

背負わされているものが多すぎて息詰まる思いも…

 なにしろ人気脚本家・人気俳優・人気コンテンツゆえに、背負わされているものの大きさ・重さが尋常(じんじょう)じゃない。  このコロナ禍にみんなを元気にすること、様々な社会問題を描くこと、取り上げるべき現代のイシューやメッセージが多すぎて、それぞれをタスクとして、みくりや平匡さん、百合ちゃん、風見さん、みんながみんな背負わされているところに、息詰まる思いがしなくもない。  しかも、正解を押し付けるのではなく、あくまで気づきを与え、考えるきっかけを提供しているだけに、Twitter上では「無痛分娩」の賛否が盛り上がったり、男女差や世代差、個人差によって価値観の分断が見られたり、ドラマ終了後にも本心を曝(さら)け出し、ぶつけ合う様が見られました。  これはすごい影響力で、野木さんだから、逃げ恥だからできたことです。

息詰まるしんどい時期だからこそ会いたいのは…

 2021年正月の現在にこのドラマを作った意義は非常に大きなものだと思いますし、それによって励まされた人、モヤモヤが晴れた人、気づきを得た人も多いでしょう。  その一方で、個人的にはこんな息詰まるしんどい時期だからこそ、様々なイシュー・メッセージをタスクとして課された逃げ恥の面々よりも、同じ野木亜紀子さん脚本作品の『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系列 2020年1月期放送)のような色々間違えまくっていて出鱈目(でたらめ)でダメダメで愛すべき人たちに会いたいな、とも少し思ってしまうのです。
コタキ兄弟と四苦八苦

(画像:『コタキ兄弟と四苦八苦』公式サイト/テレビ東京より)

<文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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