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産後すぐガールズバーで働く妻。怪しいカネづかいに夫の決断は…

ナンパは公平

 また、ナンパの話だ。やはり、正太さんがここまでナンパにこだわる理由がよくわからない。取材の冒頭でも、開口一番、銀座でナンパした37歳の女性と一夜をともにしたことを、楽しげに話していた。しかも再婚相手を探すためのナンパではない。あくまで「ワンチャン狙い」と言い切る。 「YouTubeやTwitterに有名ナンパ師の人がいるんですけど、それを見ていろんなテクニックを勉強しています。最初から下ネタの話はしないとか、女の子の好きなタイプをストレートに質問してはいけないとか」  細かいテクニックを楽しそうに解説する正太さん。どうしても、「子煩悩」と「ナンパ師」のミスマッチが解消できない。だが、正太さんの次の説明にはっとさせられた。 「ナンパって、みんなに公平なんですよ。男の年収や年齢、バツイチかどうかや子持ちかどうかが、成功率に関係しないんです。その場で自己申告するわけじゃありませんからね。狙った女の子の目の前にいる自分、そのトーク一発で勝負できる。気に入ってくれたら飲みに行けるし、ワンチャンもある。話がつまんなかったら、ついてきてくれない。ただそれだけです。努力すればしただけ成功率が上がる。それって、すごく公平だと思いませんか?」 ぼくたちの離婚 #2 そう言われれば、うなずくしかない。「マッチングアプリと違って……」と言いかけると、そこにすかさずかぶせてきた。 「ええ、マッチングアプリと違って、前もって開示したプロフィールで品定めされたり、人生にダメ出しされたりすることもありませんしね(笑)」

10代少女の「会いたい」に応えた本当の理由

 そういえば、ナオミさんと交際するきっかけになった正太さんの釣りブログにも、正太さんのプロフィールは年齢と性別程度しか公開されていなかった。好きな釣りのことを、ただ一心に書いていただけだ。そんな少ない情報だけで突然連絡してきた素性の知れぬ少女の「会いたい」に、正太さんは応えた――。  取材を終えて正太さんと芽衣ちゃんを駅まで送り、彼を紹介してくれた女性編集者に「なぜかナンパの話で盛り上がりました」とLINEで報告すると、こんな返事が返ってきた。 「そうそう、当時、正太が突然ナンパにハマりだして、サークル同期のみんなで呆れてたんですよ。ちょうど、彼が大学を辞めなきゃいけなくなったけど、なんとか辞めなくてもよくなったくらいの時期です。何か、思うところがあったんですかね」 <文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会>
稲田豊史
編集者/ライター。1974年生まれ。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年よりフリーランス。著書に『ぼくたちの離婚』(角川新書)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)。「SPA!」「サイゾー」などで執筆。 【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga
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