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Vol.19-2 「DV・モラハラ夫に仕立てられた」離婚で親権を奪われた男性の後悔

1円でも娘に回したい

 岩間さんは婚費と養育費の算定表を出して、説明してくれた。 「僕の年収からして、離婚しないでいると結衣に毎月10万円の婚費を支払う必要がありますが、離婚して養育費になると毎月7万円になるんです。だったら、差額の3万円は娘の学資保険として成人まで積み立てたい しかも、もし裁判となって争いが引き伸ばされれば、弁護士費用の負担も重くのしかかる。その分を1円でも娘に回したいんですと、岩間さんは言った。 「娘とは今、毎月1回、2時間だけ面会できます。決して多いとは言えないし、結衣はなんやかやと理由をつけて面会を妨害してくる。本当は24時間でも一緒にいたい。自分の娘なのに月に2時間しか会えないことについては、正直納得も整理もできていないですね」

子供は親を選べない

 現在の岩間さんの生活に、経済的余裕はない。離婚成立後は少しでも生活費を節約するため、それまでよりも家賃の安い物件に引っ越した。再婚を希望するかと聞くと、今は子供のことが最優先なのでと話を遮られた。 「子供って、親を選べないじゃないですか。うちの両親は悪い人じゃなかったと思いますけど、僕と妹が大事な時期に、僕らの面倒を見てくれなかった。それで……というとすごく酷なんですが、僕はこんなんだし、妹はアル中で死にました。ダメだと思うんです、こういうのは」  少しの間のあと、岩間さんは続けた。 「ああそうだ、結衣を擁護するみたいになるから、さっきは言わなかったんですけどね。結衣が両親から勘当された理由は最後まで聞けずじまいでしたが、彼女の父親については、まだ付き合う前に少しだけ聞いたことがあります。そこそこ名の知れた伝統工芸品の職人さんで、すごく厳しい人だったそうです。その父親に、結衣は日常的に手を出されていて……まあ、暴力をふるわれていたと
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彼女は嘘をつかざるを得なかったのかも
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