Lifestyle

コロナでゴキブリ大増殖。タワマン上層階にも出現している理由

飲食店の休業や廃業で定期的駆除ができず

G大増殖 チャバネゴキブリは、もともとのすみかだった飲食店でも増加しているという。都内で小規模飲食店を営む50代の男性は話す。 「1月8日から時短要請が始まって、一気に増えました。今回の時短では一日6万円の補償が出ることもあり、休業している店が多いんです。私が店を構える地下街でも、飲食店の半分は閉めている。おそらく、休業していて食料がなくなった店舗から移ってきたんでしょう。近所のほかの店舗も、今年は増えたと言っています」  飲食店を主要顧客とする害虫駆除業者も、飲食店でのゴキブリ増殖を指摘する。 「飲食店では、2~3か月に一回毒餌の散布や粘着トラップでの駆除がマストです。費用は10坪くらいの店舗であれば4万円くらいですが、コロナ禍で打撃を受けた飲食店のなかには、定期契約を解約してしまうところも多い。  駆除しないと、繁殖力が強いチャバネゴキブリは当然、増えます。さらに一部のチャバネゴキブリが耐性のある『スーパーゴキブリ』になっていて、簡単に死なない個体も出てくる。そんな事情もあり、一度増殖を許してしまうと、根絶がなかなか難しくなります」  1階に飲食店が入居するマンションに住んでいる人は、特に要注意かもしれない。

外来種の流入も

 こうした事態に加え、さらに本邦には“新顔”も乗り込んできている。2月に南米原産のアルゼンチンモリゴキブリが、千葉県の野外で発見されたのだ。  調査に関わった農研機構は「この種は国内で広く爬虫類などの生餌として販売されており、発見当初は飼育ケースが一緒だったことから、飼育個体の逸出に由来するものだと考えている」とのこと。繁殖力が強いことが知られているが、今後、家屋など人間の生活圏にすみ着く可能性は「不明」だと述べた。  冬季からの活動活発化や外来種流入など、すでにゴキブリ嫌いには十分に鳥肌の立つ状況だが、これから暖かくなれば、さらに増えるに違いない。今のうちから十分に備えておきたいものだ。 外来種や南方種も! ・ワモンゴキブリ 日本ではもともと九州以南や沖縄でしか見ることがなかったが、10年ほど前から本州や北海道でも見られるように。温暖化した都市部を中心に増えている。成虫の体長は3~4cm ・アルゼンチンモリゴキブリ 南米原産。爬虫類の生き餌として輸入されてきたが、一部が屋外に放たれ繁殖。1月末に千葉県で初めて確認された。繁殖力が強く国内で増える可能性も。成虫の体長は5~6cm
次のページ 
欧米ではネズミ急増でパニックに!
1
2
3
4
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ