結局、見事に優勝した渚さんYさんペアは賞品としてディズニーのペアチケットを貰いました。しかし、マイクを持った新郎から「必ず二人で行って、写真を撮ってくるまでが条件です!」と言われて渚さんはゲンナリ。完全に二人をくっつけようとしている空気が会場に満ちていて、恐怖すら感じてしまったそうです。

「そもそも、
その時の私には結婚を前提に付き合ってる彼氏がいたんですよ。Mちゃんに再会した電車の中でそんな話はしなかったので、新郎新婦が知らないことは仕方がないんですけど……。でも私にもし彼がいないにしたってお節介がすぎるし、Yさんにも失礼じゃないですか」
それでも、晴れの場を白けさせるのはよくないと思った渚さんは、そこでは黙ってチケットを受け取りました。歓談タイムになったのを見計らって、意を決してYさんに話しかけたところ、
Yさんはちゃんと察していたようで、ディズニーチケットを2枚とも渚さんに渡してきたそうです。
「Yさんはすごくいい人でした。『
あんなこと言われても困っちゃうよね。誰か別の人と行ってきなよ』って言ってくれて。彼氏がいることを伝えたら、『そりゃそうだよね。KもMも絶対に彼氏いない子だからって言い張ってたけど』って申し訳なさそうに、後輩たちが勝手なことしてごめんねって」
いい人すぎるYさんの対応。それに引き換え新郎は……
聞けば、Yさんはいつも会社で彼女がいないことをイジられるらしく、『Yさんに彼女を作ろう』企画はもはや社内の定番になっているのだとか。このご時世にそんなノリのことをしている会社があるのか……と、長年フリーランスで働いていた渚さんはカルチャーショックを受けたそうです。
「
実際のところ、Yさんも周りに言ってないだけで、付き合ってる人がいたんだそうです。あまり詮索(せんさく)されたくなくて黙ってるんだとか。そろそろ転職を考えていて、それが上手くいったら結婚するつもりだと、こっそり教えてくれました」

しかし、Yさんが渚さんにチケットをあげてしまったことは新郎新婦にバレてしまいました。渚さんは帰り際に
「Yさんとディズニーに行くことに不満でもあるのか」と新郎に詰められるという結果に。
「彼氏がいるとか、そういう説明をする気持ちも、Mちゃんを祝う気持ちもすっかり失せてしまいました。チケットは『そういう風に思われるのでしたら受け取れません』と返したのですが、それも『失礼だ!』と怒られてしまいまして……。それ以降、Mちゃんとの連絡も途絶えてしまいましたが、致し方ないと思いますね。Yさんがあの会社を辞められて、無事に幸せな結婚をしていることを願っています」
幸せのお裾分けはありがたい(?)ことですが、無理やりの押し付けはほどほどにして欲しいものですね。
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結婚式のトンデモ話―
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<文/もちづき千代子>
もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama