高い豆腐は本当に美味しいのか?食べ比べてみた
「豆腐」は「男」と同じです。
世の中に良い男、悪い男がいるように、豆腐も実に様々であることをご存知でしょうか?
豆腐と言えば、最も手軽に買える健康・美容食材ですが、ひとくくりにしてダマされてはいけません。うなるほどの絶品豆腐もある一方で、ひどくまずい豆腐や、豆腐と言いがたい悪徳商品もしっかり存在しています。また、値段もピンキリ。30円で買える安価なものから、1丁数万円もする超高級品まで出回っています。
では、本当に美味しい豆腐を見つけるためにはどうしたらいいのでしょうか? 今回は、そのヒントになるべく、わたくしスギアカツキ(料理研究家)が検証を行なってみました。
「美味しい豆腐探し」は「いい男探し」のようなもの
「なめらかきぬ」(相模屋食品株式会社)98円(写真左上)
「京名物冷やっこ」(京とうふ藤野株式会社)168円(同右上)
「麗峰」(紀ノ國屋プライベートブランド)322円(同左下)
「石臼とうふ」(株式会社五右衛門)525円(同右下)
豆腐専門店が誇る高級豆腐は、やっぱりすごかった!
運命の男と出会うとは、こういうことなのではないでしょうか。
名水百選にも選ばれた神奈川県丹沢大山の地下水を使用し、厳選した国産大豆を石臼で挽いた五右衛門の豆腐。期待感をそそる風貌は、決して私を裏切りませんでした。封を開くなり、普通の豆腐とは色が違うことに気付きます。それは、白というより黄色みがかったクリーム色。食べてみると味も香りもパーフェクト。調味料は、何もかけないのが一番です。味わい濃厚で、後味の良さまで最高級。そしてさらにびっくり、お鍋に入れて加熱しても超美味!
運命の男は、自分好みのテイストに変えても、期待以上の実力を発揮してくれるのです。
ちょっと日持ちする豆腐は、生豆腐とは別物です
2年、3年付き合ってやっぱり違ったという男はいませんか?
この豆腐は、通常の生豆腐よりも日持ちするよう製造した「充填豆腐」と呼ばれるもの。パックにすべて材料を入れてから再加熱をする製造方法で、豆腐ならではの風味や旨味は全く感じられません。食べてみると、ふんわり柔らかい触感とクリーミーさはあるものの、何か物足りなさを感じます。
どこかしっくりこない男と楽しく付き合うためには、その溝を自分でフォローできるかが重要。そうです、足りないものを補えば良いのです。充填豆腐はポン酢などの香りある調味料を合わせれば、十分美味しく楽しめます。
別物とわかったうえで日持ちを重視するならば、ひとつの選択肢でしょう。
ブランドだけに頼るべからず!
お育ちの良いイケメンと付き合って、痛い思いをしたことはありませんか?
スーパーの王様、KINOKUNIYAのプライベートブランドとして300円を超える豆腐を食べてみたところ、正直言って、イマイチ美味しさがわかりませんでした。大豆、水ともに上質な材料を使っているのですが、とにかく水っぽい。決してマズくはないのですが、勝手に期待をした分、ショックが大きかった!
豆腐職人であっても、毎日同じように美味しい豆腐を作るのは至極の技のようで、もしかしたら、この日は運が悪かったのかもしれません。
こういう経験も時には必要で、クヨクヨする必要はありません。ブランドや金額だけに惑わされない賢い女になりましょう!
少々水っぽい豆腐は、新鮮なうちに塩でいただくのがオススメ。もちろん、この水っぽさが好きな人もいるはずで、好みは人それぞれという点も男選びと一緒です。
100円豆腐は、料理次第で十分美味しく、工夫次第で大化けも
世の中には、女次第で偉大になる男がたくさんいます。
100円以下の豆腐の美味しさは様々のようですが、こちらの豆腐は至って優秀。際立った美味しさはないのですが、昔食卓に出てきたようなホッとする安心感があります。冷やっこでいただくなら、おかかをたっぷりかけるとよいでしょう。また、今回比べた中では、味噌汁、サラダ、水切り豆腐として使う場合に一番使いやすいかもしれません。料理次第で美味しい豆腐に生まれ変わる可能性も秘めています。
大概の男は、女次第でどうにでもなると思いたい!
(ちなみに、豆腐屋さんいわく、安すぎる豆腐は要注意だそうです。)
美味しい豆腐を選ぶポイント
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12


