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自分を偽りながら50回お見合い。“昭和”な結婚相談所に振り回された女性の嘆き

土日にお見合いを6回こなす、怒涛の婚活がスタート

 恵理さんはYouTubeで紹介されていたワンピースを買い、髪を巻いて撮った写真で登録しました。登録してすぐ申し込みは70人ぐらいあったそうです。これは割と多い方。 「『とにかくいろんな人に会った方がいい』とアドバイスされたので、あまり年齢が離れた男性を除き、いろんな人と会ってみることにしました」  土曜日に3人、日曜日に3人というハイペースで、2か月は会いまくったそうです。
恵理さん(33歳・仮名)

当時の恵理さん(仮名)の婚活用写真。結婚相談所のアドバイスを忠実に守った。

「悪い人はいなかったですが、大人しい方が多くて、会っていてつまらなかったです。人に興味関心がないというか、あまり友達がいなさそうな人が多かった」  40人ほど会って、2回目の交際に進んだのは「飲みに行くのが好き」と言っていた3人だけ。しかし、2回目のデート後に向こうから断られたり、返信が遅すぎるので恵理さんが断ったりと、なかなか続きません。  恵理さんは人気があって、男性から次々と申し込みが入ります。仲人からの「どんどん会って次に行こう」というアドバイスもあり、たくさん会えばいい人に巡り合うと思っていたそうです。3か月目に年下の国家公務員とお見合いをしました。2回目デートの後に盛り上がらなかったので断ったそうですが、向こうの結婚相談所経由で復縁希望の申し出があり、交際を再開したそうです。

好きかどうか分からない相手と“真剣交際”に進むも

 次に会ったときに相手から「今まで女性と付き合ったことがない」と打ち明けられ、盛り上がらなかったことは目をつぶることにしたそうです。何度か会って結婚相談所経由で「あちらは真剣な交際に進みたいとそうですよ」という申し出がありました。 「自分で言えばいいのに。でも結婚相談所ってこんなものなのかな?」と思ったそうです。婚活にも疲弊していた恵理さんは真剣交際に進みます。“真剣交際”とは、他の異性と同時並行を辞めてお互いが一人に絞ったいわゆる「お付き合いしている」状態です。  真剣交際に進んだときに仲人の提案で、結婚相談所を紹介してくれた友達と3人で食事会を開催してくれたそうです。しかし、あまりうれしそうじゃない恵理さんの様子を察して、仲人が「手をつないだの?」と聞いてきました。 カップル 夫婦 手をつなぐ 散歩 デートいや、つなぎたいと思えなくて」  そこからは仲人と友達の2人に、そのまま結婚して大丈夫なのかと諭(さと)されます。「私、そんなに好きじゃないな」と気が付いた恵理さんは、相手と話し合って埋められない溝を再確認し、交際解消を選択しました。  私はそれを聞いて、売り上げのために成婚を押し進めることもできたであろうタイミングなのに、会員の人生を考えて別れも提案できるって素晴らしい対応だなと感じました。  一方で、恵理さんは「相手は自分の鏡なのよ」のような抽象的なアドバイスしかもらえないことや、好きになれない男性との繰り返しの先に結婚できるイメージを持てなかったそうで、私のところにご相談にいらっしゃいました。この時点ですでに、50人ほどお見合いしていました
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「清楚」「家庭的」をウリにするプロフィールの罠
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