中国産の食品が激増中。結局、安全性や品質は大丈夫なの?
近年、中国産食品の安全性を巡る懸念は繰り返し報じられてきた。しかし、今回は少し事情が異なる。食品インフレや円安で、中国産を使用せざるを得ないケースが増えているからだ。食を巡る最新事情を紹介する!
熊本県産を謳ったアサリや鳴門産ワカメ、さらには奈良県の老舗ウナギ店などなど、消費者の知らぬ間に紛れ込んでいた偽装中国産食品が続々と露見している。
産地偽装を行った業者や店舗はいずれも厳しい批判にさらされ、無関係な同業者への風評被害も相次いでいる。日本人の中国産アレルギーの大きさが改めて浮き彫りとなった。
’08年のいわゆる毒餃子事件以降、中国産食品の問題は繰り返し報道されてきた。そうしたなか、ここ十数年間は中国産食品を避ける「食のチャイナフリー」の動きも広がっていったはずだ。
しかし、実は中国産食料品の輸入は長らく拡大傾向が続いているのだ。貿易統計によると、’10年に7017億円だった輸入額は、増減を繰り返しながらも昨年度は8972億円と増えているのだ。
こうした矛盾の背景には、中国産食品への根強い忌避感の傍らで、それを使用せざるを得ない状況があるようだ。激安スーパーを愛用する都内の50代の主婦が話す。
「家計を気にしなくていいなら、国産を選びたいのが本心です。でも昨年からの物価上昇でそうも言っていられない。タマネギやニンニク、ショウガなどは国産のものより半値から5分の1くらい値段が安いので、けっこう買いますね。冷凍野菜も安くて便利だし、種類も豊富なので愛用しています。国産の生鮮野菜にすると倍はかかりますよ。冷凍野菜はよく見たら、ほぼ中国産ですね。即死するわけじゃないし、気にしません。いつも自転車で20分の激安スーパーでまとめ買いしています」
自らの意思で選択するならまだいいかもしれない。しかし、同じスーパーでも最終消費者に知らされることなく中国産食品が販売されているケースも多々ある。
千葉県内の食料品店に勤務する30代の女性が明かす。
「コロナ禍で惣菜や弁当の売れ行きが伸びていて、新商品の開発などに力を入れています。惣菜で使う食材は、店で消費期限間近になった生鮮食品のほか、店では販売していない安価な中国産を中心としたカット野菜や鶏肉調製品、シーフードミックスなどです。調理済みの惣菜の場合、生鮮コーナーの食品と違って、産地の表示はしなくていいので、よりコストが安いものが使われている」




