その場では「考える時間が欲しい」と返事を保留した菜摘さん。もはや修復不可能で離婚を覚悟しますが、黙って言いなりになるつもりはありません。
この出来事の数日後、また出張と称して家を空けることがあったのでその日を狙って夫の上司に連絡。この方は自宅に何度も招待してもらったことがあり、夫婦ともに新婚当初からお世話になっていた人物。出張が不倫相手の家にお泊りするための口実であることは知っていたため、本人も「完全な嫌がらせです(笑)」と認めます。
「夜、ご自宅に電話したのですが『今日はいつも通り出社して定時に帰りましたが……』と言われました。そこである時期から残業で帰宅が深夜になったり、毎月出張で家を空けていることを話しました。
夫の携帯電話から入手した不倫相手の名前を挙げ、この女性とメールのやりとりを重ねて不適切な関係にある可能性が高いことを説明。そのうえで証拠はあるので必要ならコピーを渡す用意もあると伝えました」
上司はかなり驚いていたそうですが「それが事実なら会社として看過(かんか)できません」と調査を快諾。教えてもらったプライベート用のメールアドレスに決定的な証拠の数々を送ったそうです。
そして、翌週この上司から「やはり不適切な関係にあることがわかりました。上司として心からお詫びを申し上げます」と謝罪の電話。その晩、帰宅した夫からは血相を変えた表情で「何てことをしてくれたんだ!」と怒鳴られますが、「離婚には応じます」と保留にしていた返事をしたうえでそのまま子供を連れて実家に戻ります。
夫は地方の営業所に左遷され、女性は居づらくなって退社
「その後、彼とは双方の両親、弁護士などを交えて何度か会っただけ。慰謝料や養育費についても特に揉(も)めることなく、こちらの希望する額でまとまりました。夫からは謝罪の言葉もありましたが今さらですよね。
不倫相手は24歳のまだ若い子でしたが弁護士立ち合いで会ってもふてくされた様子だったので、相場より高めの300万円の慰謝料を請求しました」
なお、会社では一部社員の間では以前から関係が噂されていたらしく、今回の件で一気に明るみに。女性は居づらくなってすぐに退社。夫は異動を命じられ、地方の営業所に飛ばされてしまいます。
「養育費も含め、義両親が立て替えて一括で払ってくれましたし、彼がどうなろうと知ったことじゃありませんけどね(笑)」
職場内不倫をした者が僻地や閑職に左遷されるのはよくあること。社内ではそういう人間だとレッテルも貼られますが、それだけのことをやらかしたのだと自覚してほしいものです。
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<TEXT/トシタカマサ イラスト/とあるアラ子>
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。