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見た目で「元ヤン」と怖がられる私の“本当の過去”。いじめで階段から突き落とされて…

乱暴な振る舞いをしているわけじゃないのに、体格の良さや格闘技を習っている事実で一方的に「ヤンキー」なんてレッテルを貼られたら、悲しいですよね。 「ろくに話もせず私のことなんて何も知らないのに、アイツは不良で誰それと喧嘩したみたいな噂を流して勝手に盛り上がる人たちが本当に嫌でした」と昔を振り返る安井美知子さん(仮名・36歳)は、自分の意思とまったく関係ないところで決まる評価に辟易(へきえき)していたそう。
いじめを受ける女性

写真はイメージです(以下同じ)

その「勝手に作られた過去」が就職してからも仕事や人間関係に影響し、つらい思いをします。 一方で、それでも顔を上げて生きる安井さんを正しく見てくれる人もまた、存在しました。 ヤンキーと言われてきた安井さんの過去と現在について、ご紹介します。

転校先でいじめに遭い、階段から突き落とされる

家庭の事情で転校を余儀なくされた安井さんが、新しい環境になかなか馴染めず、友達ができなかったそうです。 「うちは母子家庭で、父親は私が小さい頃に暴力が原因で離婚したと母親から聞かされています。離婚してから母はこの地元に戻ったのですが、まともに働けるところがなくてお金に困っており、転校先の小学校では『いつも同じ服を着ている』『こんなボロボロの筆箱を使っている』とからかわれていました。 そのうちいじめられるようになって。ハンカチを捨てられたりランドセルをゴミ箱に入れられたり、すごく悲しかったけれど母親には言えなかったですね……」 毎日朝早くからスーパーの仕事をがんばってくれている母親を見れば、新しいノートがほしいことも、破れた上履きを買い替えたいことも、なかなか言い出せません。 そのせいで学校では「貧乏人」と言われ続け、ついにはほかのクラスの男子生徒に階段から突き落とされる事件が発生します。

貧しい生活の中…母は、私を空手に通わせ始めた

「学校に呼ばれそのときになって私の状態を知ったお母さんは、男子生徒の親がまともに謝罪しないことに明らかに腹を立てていて、家に帰ってから『あんな人間に負けない子になりなさい』と私に空手を習うように言いました」 生活費はまだまだ苦しいはずなのに、すぐに近くの空手道場に入会してくれて、母親に言われるがまま、安井さんは通うようになります。
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どんどん筋肉がついて、心身ともに変わっていく自分
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