水商売の世界では、その性質上、そもそも「夫婦関係や恋人のことは話題にしない」という不文律があるようなのです。まったくの素人でアルバイトを始めた浜崎さんはそのことを知らず、すっかり独身だと信じきっていました。

写真はイメージです。
「今思えば夜の仕事なら当たり前ですが『妻がいるから家に帰らなきゃ』とか言わないので、いないのかな、って思ってしまいました。
異常にわたしのことを睨んでいたあの奥さまの目つき、絶対にわたしがKさんの相手だと気づいていたと思います。思い返しても、本当に冷や汗が出る体験でした」
独身かきちんと確認したわけでもなく、Kさんも嘘をついていたわけではなく、そもそも「夫婦や恋人関係を公にしない」という文化だけに、怒るに怒れなかったという浜崎さん。奥さんがいる男性と会っていると気づいて、居心地が悪くなり、予定より早くお店をやめたそうです。
「いちおう卒業旅行のお金は貯まっていましたし、まずいことになる前に辞めました。Kさんとも気まずくなり、辞めてそれっきりです。奥さまも職業柄、夫の火遊びには慣れているようで、それ以降目立ったお咎めもなく終わりました。夜の業界の方とお付き合いすることなんて、もう二度とないと思うので、若いうちにいい勉強になったと思います」
女性慣れした夜の街の男性は、ひときわ魅力的に見えるもの。うっかりドツボにはまらないように、ご注意を。
―シリーズ「不倫のてん末」―
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<文/塩辛いか乃 イラスト/zzz(ズズズ)
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塩辛いか乃
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。
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