次の日になっても、彼氏から連絡はありませんでした。

あんな“現場”を見られて何を言ってくるかと美也子さんは待っていたそうですが、年末が来てお正月を迎えても何も言ってこない彼氏に、完全に冷めたといいます。
「それ以来、その人とは音信不通です。共通の知り合いもいないので、消息はまったくわからないですね。結局あの女性が元カノだったのかどうかはわからないですが、浮気には間違いないし、別れて正解だったと今も思っています」
きっぱりとした口調でそう話す美也子さんが気になるのは、「どちらが浮気相手だったのか」の真実。
自分とよりを戻したとき、「元カノとは完全に縁を切ったから」と言い切る彼氏を見ていたので、クリスマスのときはあの女性が浮気相手だと思っていましたが、
「実は私のほうこそ浮気だったんじゃないかなと思って。最初からあの人の本命はずっと元カノで、うまくいかないときに一緒にいてくれる浮気相手に私が選ばれたのかもしれません。だからクリスマスみたいな大事なイベントのときに、あの女性と過ごすことを優先したんですよね」

悔しさがにじむ声は、彼氏の言葉を素直に信じた自分への後悔と、そんな愛情をないがしろにした彼氏への怒りが伝わりました。
本当のところがどうなのかは、もう確認のしようがありません。そんなことに囚われるより、不誠実な男性と別れることができた今の自分を褒めるべきで、男性への目が良い意味で磨かれたと思うのが吉。つらい経験はなかなか忘れられないけれど、自分に非がないのなら胸を張って次の恋愛に進むのが自分のためといえます。
パートナーが向けてくれる愛情を弄ぶような人は、いずれしっぺ返しをくらい自分も同じことをされます。人の思いを大事にしないからこそ、誰といてもまともな信頼関係を育てられないのが現実です。「こうはならない」と反面教師にすることで、本当に幸せな恋愛を楽しめる強さを持ちたいですね。
―シリーズ「冬の恋愛、悲喜こもごも」―
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<文/ひろたかおり イラスト/朝倉千夏>
ひろたかおり
恋愛全般・不倫・モラハラ・離婚など男女のさまざまな愛の形を取材してきたライター。男性心理も得意。女性メディアにて多数のコラムを寄稿している。著書に
『不倫の清算』(主婦の友社)がある。