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子どもにワクチン打たせない、薬も飲ませない…“自然派育児”をするママの沼

ちなみにMさんが通っていた豊受クリニックの高野院長は日本ホメオパシー医学協会(JPHMA)の理事であり「患者さんに対して、なるべく現代医薬品に頼らない方法を検討します」と言っている(日本ホメオパシー財団認定 ホメオパシー統合医療専門校のHPより)。自然派ママたちの、ナイト的存在である。

食材を駆使してお手当

自然派ママ202212-2c「ママ友たちは、自然療法の定番である里芋パスタ―やこんにゃく湿布(※3)もやっていましたけど、私は基本ズボラなんで、こまめに取り替えるのができなくて。子どもが具合悪くなってバタバタしているときに、里芋すり下ろして湿布をつくるとか……ハードル高すぎです。熱さましにいいと言われているキャベツ帽子(※4)は頭に乗せるだけなので、かろうじてできたけど。でも、効果があったかどうかは正直わかりません。ホメオパシーは、そうした自然療法ができない代わりに、という気持ちからでもありました」 (※3)里芋パスター・こんにゃく湿布:体の毒素を出したり、炎症に効果があると謳われている自然療法。里芋パスターはすり下ろした里芋と小麦粉で湿布を作って患部に貼り、こんにゃく湿布は茹でたものを布に包み患部に当てる。 (※4)キャベツ帽子:別名キャベツ湿布。発熱や乳腺炎にキャベツの葉を当てると治るとされている民間療法。助産師向けの指導書に掲載されていた時代もあるが、現在は削除されている。

自然派ママはお金がかかる!?

ホメオパシーで使うレメディは何千種類もあり、症状に合わせて組み合わせる。Mさんは本を読んだり詳しい人に教えてもらったりしながら、自分で種類を選んだレメディを子どもに与えるが、素人には複雑難解だ。風邪ひとつでも熱はどんな塩梅か、咳はゼエゼエかゴホゴホか。むずかしい診断項目に頭を悩ませつつ、本を見ながら使っていたという。慣れもあるのだろうが、筆者の目にはホメオパシーも食材を使った自然療法も、どちらもそこそこ大変に見える。 「当時ママ友たちとは、病院行かないから体も強いし、お金かからないよね〜なんてよく話していました。でも今ふり返ると、一般的な保険診療なら子どもは無償ですが、ホメオパシーは自費治療なので高額。自宅で実践すればレメディは1瓶500円前後ですが、結局何種類も必要になるので、基本をひと通りそろえると1~2万はかかります。食費や医療費、そのほかこだわりの衣服や住環境を含めると、自然派育児のほうがはるかにお金がかかっていた。ちなみに私本人は頭痛持ちで、レメディはまったく効きません。やっぱEVEじゃないとダメだわ! と即挫折。うちの子は幸い病気もアトピーもなかったから、医療に頼らずに済んだだけの話ですよね」
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普通のママより偉い!と思っていたけれど…
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。


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