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潔癖性を治した男性の決死の2年間、「 クララが立った」以上の感動が…!|辛酸なめ子

「舞っている枯れ葉に触る」ところからスタート

 まず、毎日30分ほど散歩して脳のストレスを軽減。太陽を浴びることでエネルギーを充電しました。気候がよくて空気も澄んでいる高知に引っ越したのも良かったようです。 「舞っている枯れ葉に触る」ところからスタート たいがーさんは「敵」の種類をリストアップ。 「弱い敵から倒そう」ということで、「舞っている枯れ葉に触る」ところからスタート。「舞っている中に入るのは1対30どころじゃない、多数を相手にする喧嘩のよう。最初はいきなりぶん殴られるようで辛かったけど、だんだんなんでもなくなった」そうです。丸腰状態で葉っぱと戦うたいがーさん、男らしいです。   続いて「手洗い3回を2回にする」、デスが付着している改札機に体が触れそうな「狭い自動改札を通る」「靴下を一枚履きにする」「公園のベンチに座る」と、徐々にクリア。試練を乗り越える時は「自分をかっこいいと思うのがポイント。誰も褒めてくれないから、自分を褒める」というコツを教えてくれました。  漫画や映画の主人公になった気分で自分を客観視するのも効果があるとか。 「ある時、舞い上がるホコリを睨みつけたことがあって。自分ってこんな目をするんだ、ついにここまで来ちゃったか、治さなきゃいけないって自分を客観視しました」と、たいがーさん。俯瞰して自分を見たり、時には褒めてみたり、冷静さと情熱を使いわけています。潔癖性に限らず様々な人生の試練に対峙する時に使えるライフハックです。

クララが立った!会場が沸いた「最終決戦」

 最後、最大の試練にステージ上で挑戦。「最終決戦」は「リュック地面置き」「地面直接触り」「素足地面歩き」です。屋内の会場とはいえ、渋谷の円山町で土足なので、地面にはいろいろなデスが付着していそうです。もし自分がやれと言われてもできないハードなデスプレイです。 クララが立った!会場が沸いた「最終決戦」 たいがーさんはBGMを流し、覚悟を決めると、まずリュックを地面にじか置き。続いて地面を触り、「どりゃ〜!」と、裸足で椅子からジャンプ。「やったぞ〜!」とたいがーさんが叫ぶと、会場中に大きな拍手が巻き起こりました。感無量で涙を浮かべるたいがーさん。「治るぞ〜!」と叫び、そのままずっと裸足なので、こちらの方がデスの侵蝕が気になってしまいました。  でも、たいがーさんが裸足でステージに立った時、クララが立った以上の感動がありました。ポジティブな涙でデスパウダーが浄化されていくのが見えました。太陽や高知の自然のエネルギーを吸収したたいがーさんは、デスが付着しても瞬時に殺菌できる体になったようです。今後はデスの方が恐れて近寄らない存在に。試練を克服したら誰もがヒーローやヒロインになれるのです……。 <文/辛酸なめ子>
辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉育ち。漫画家、コラムニスト。著書は『辛酸なめ子と寺井広樹の「あの世の歩き方」』(マキノ出版)、『辛酸なめ子の現代社会学』(幻冬舎)、『女子校育ち』(筑摩書房)など多数。
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