香澄さんがその日作ったのは、サラダと有機ジャガイモを使ったポトフ。色鮮やかな食器と食材で食卓を囲み、二人は楽しいひと時を美味しい食材で満喫しました。ところが、料理が減っていくにつれ、彼の表情はニヤニヤし、何やら落ち着かない様子の彼に不思議そうな顔をする香澄さん。

写真はイメージです。(以下同じ)
「
この食材さ…実は俺が隣のスーパーで同じものを買って入れ替えたんだ」
彼は最後のジャガイモを口に入れながらあっさりとそう打ち明けました。なんと宅配ボックスから香澄さんの自宅に運ばれた段ボール箱の中身は入れ替わっていたのです。
「最初は何が起こっているのかわかりませんでした。でも、時間が経つにつれ、自分が料理した食材はオーガニックではなく、スーパーで買った野菜達だということが分かったんです」
しばらくその場で呆気に取られていた香澄さん。
「彼はその後、すごく言葉を選びつつ『
香澄の料理は好きだけど、映えなんかに左右されない香澄の料理が一番好き』と言ってくれたんです」

自分に酔っていたことに気づいた香澄さん。その日のうちにサブスクリプションを解約したそうです。実は金額も割高に感じていたこともあり、浮いたお金で今後は調理器具を充実させたいそう。
「彼だってあんなことをするのは勇気がいったはずです。でもそのおかげで本当に大切なものが見えたような気がします。もちろんオーガニックは良いのかもしれないけど、それよりもっと大切なのは料理に対する愛情ですよね」
―シリーズ「捨てて/やめてよかった!人・モノ・習慣」―
【他のエピソードを読む】⇒
「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒
心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<文/大杉沙樹>
大杉沙樹
わんぱく2児の母親というお仕事と、ライターを掛け持ちするアラフォー女子。昨今の情勢でアジアに単身赴任中の夫は帰国できず。家族団欒夢見てがんばってます。