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カルト教団に月収10万円でこき使われる日々…。20代を搾取され続けた女性の苦しみ

「教団はいろいろなセミナーを定期的に開催していて、スクール生も参加するよう呼びかけられます。私が参加したのは、原発事故のあとだったので放射能についてのセミナーでした。放射能の影響も教団の技術を通じて浄化できます、というような話を聞いた記憶があります。そしてその場で本部のスタッフに『うちの教団で働きませんか』とリクルートされ、喜んで入信することとなります」 そうして、ビジネススクールを並行して、K子さんの滅私奉公生活が始まった。

朝から晩まで、教団漬け

スクールの授業がない土曜のタイムスケジュールを書き出してみよう。 起床~10:30 主に家事と買い出し(週に1度、唯一の自由時間) 11:00 出勤、ノルマや目標を報告しあう 12:00 勧誘のため街へくり出す。昼食はコンビニのイートインか路上で手早く(時間も金もないため) 14:00 収穫がなければ支部へ戻り、タウンページ片手に電話営業 16:00 勧誘成果報告&勉強会 19:00 電話営業再開 20:00 懺悔文作成(ノルマ未達成とは直接関係のない、プライベートな部分や思想もとことん開示するよう求められる) 21:00 集会(幹部のお説教を聞いた後、幹部がセレクトした陰謀論などのYouTubeを鑑賞) 23:00 支部の掃除・雑用 24:00 ポスティング 25:00 共同生活の部屋へ帰宅後、風呂の順番を待ちながら再び懺悔文を書くものの、寝落ちする カルト体験談202302-1c※日曜は、K子さんたちの教祖的存在である日本支部幹部の身の回りの世話(洗車や家の清掃など)が加わり、終わると勧誘、ミーティング、反省会が深夜まで続く

ノルマに追われて20代は終わった

基本的に休憩時間はなく、常に睡眠不足と疲労が蓄積されていく。「成功を目指す社会人サークル」等の誘い文句を入り口に若者が多く会員となり、過酷なノルマを課せられ搾取される「環境」という集団が少し前に話題となったが、それを見たK子さんは「自分を見ているかのようだ」と思ったそうだ。2/8(水)公開予定の中編に続く。 <文・取材/山田ノジル>
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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