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20代女性が“パパ活”をはじめた理由「奴隷のような生活から逃げるためだったんです」

「常日ごろ、組織の活動を外部に漏らすなと指導されていたのがしみついていたので、『仕事が嫌になり逃げて自責の念にかられている』と説明してましたね。そうすると、一日過ごせるだけのお金をくれる人や、食事を提供してくれる人も現れます。パパ活を公言してのマッチングだったので、最悪殺される可能性も考えていたのですが……。希死念慮は強かったものの、怖くて死ねなかった。だから自死よりはマシ、どうなっても構わない、といった気持ちでした」 カルト体験談202302-3bそうした生活を送るなかでも、「組織から逃げた自分の人生には破滅しかない」「自分は救われない」という恐怖がつきまとう。そして結局、教団へ戻るのだ。脱走して帰ってくる信者は少なくないようで、「組織を裏切った人の更生プログラム」も用意されている。

さらに過酷なノルマという地獄

Kさんを待っていたのは懺悔文と勤労奉仕だ。 ・宗教施設の外壁掃除(小さなブラシと洗剤で壁を洗う) ・1日1000通以上のポスティング。23時から朝の4時ごろまでかかることもある ・支部長家庭の家事労働(衣類整理。壁や床、水まわりの清掃など) ・懺悔文を書き、幹部と面談。反省を促される 「雑務含め体力のいる作業も強いられるのですが、プログラムはもちろん一人で行います。当事者の反省と組織への奉仕という名目ですが、まるで見せしめのよう。幹部にはサディスティックな支配欲も感じました。そうしたプログラムを終え、まだ教団で働く意欲があると認められれば、また所属することができます。それを数回くり返しましたね。私以外にもそういう人はいて、結局みんな戻ってくるんだなあと」

なぜ教団を抜けられたのか?

Kさんはいま、教団とは完全に縁を切った生活を送っている。最終的に教団に戻らなかったのはなぜか。 「私たちにとっての教祖的存在である、支部長にクビにされたからです。そこでは包み隠さず心の底まで自己開示しつつ、懺悔文を書くのが常でした。だから逃走した際の生活も、ありのままに報告したんです。ところが常日ごろから支部長はとても潔癖で、特に男女のことには敏感な人でした。だからマッチングアプリで出会った人を頼って、というのがダメだったよう。戻ってきてもいずれ組織内にもトラブルを呼び込むと思うから、もう出ていけと」
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「普通の生活」のありがたさ
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。
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