20代女性が“パパ活”をはじめた理由「奴隷のような生活から逃げるためだったんです」
更生プログラムを受けつついつもと変わらないハードな奉仕をしていたにもかかわらず、最後は「前回払いすぎた」と2万円を渡され、放り出されたKさん。そこではじめて「この組織に20代を捧げてきたのに、こんな扱いか」と完全に心が離れた。
その後Kさんは親もとへ戻り、仕事も得て、穏やかな生活を送っているという。教団から追い出される前、あまりにお金がなく派遣でバイトしたことから失業保険が発生し「命綱になった」と話す。
Kさんの入信は、教団幹部が設立した「ビジネススクール」が入口だったが、失業保険を受けとりながら「社会人経験がなくパソコンスキルも低かったので、事務に必要な資格を取った」という。その話からは、教団のビジネススクールは実務にまったく役立たなかったこともわかる。
「その後はじめて一般の会社の正社員になると、給料にボーナス、有給、交通費、その他手厚い福利厚生を、生まれてはじめて安定して得ることができました。仕事上のストレスもなく上司はとても世話焼きで、褒め上手。まるで世界が違います。信者時代は、自分の好きなこともすべて無駄だと思い込まされ、楽しみは罪とされ、その結果、自分の選択を素直にできず教団の喜ぶように動いていました」
「ときどき友人と会うときも、話すことが何も思い浮かばなくなり、つまらない人間になっていく実感は、本当に苦しかった。私が教団で苦しみもがいているあいだ、友人たちは仕事で着実にスキルアップしたり、家庭を持ったり、より豊かになって人生のコマを進めている。なのに自分は、机上の空論だけが得意な薄っぺらい人間に成り下がっていく恐怖。あれは忘れられませんね」
教えを理解しない外界は人生の落伍者であるとして、関係を断つように指導されるというが、Kさんの語る恐怖のように、外界との落差を見るのがつらくなり、接触を断つ人もいそうだ。「トラウマを解消する技術」を求めて教団へ入信したKさんは、逆にそれ以上のトラウマを植え付けられる結果となった。
その後Kさんは親もとへ戻り、仕事も得て、穏やかな生活を送っているという。教団から追い出される前、あまりにお金がなく派遣でバイトしたことから失業保険が発生し「命綱になった」と話す。
「普通の生活」のありがたさ
周りの友だちと比べて自分は…
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。


