20代女性が“パパ活”をはじめた理由「奴隷のような生活から逃げるためだったんです」
「教団にいると必然的に外部との付き合いを断ち切るような生き方になるので、周りと比較する機会も減り、必要な苦しみから逃げることができ、そのときはある意味幸せだった。教えイコール幸せへの道、と常に教えられていましたが、支部長のもとにいる信者が幸せだったかどうかと聞かれれば、いまでも疑問です」
「私がいたころの、ほかの信者の姿は、常にお金がなく隣の信者と争い、寝不足で青い顔、感情の抑制された虚ろな目が印象的でした。このあいだ、身分証で当時といまの自分の顔を比べてみたのですが、前者は目がすわっていて犯罪者のよう」
「今は一番近くで私を見ていた母が、会うたびに『幸せそうな顔だ』『幸せになれてよかった』としつこいくらい喜んでくれています」
こうしてKさんは、カルト宗教の沼から出ることができた。時間は取り戻せないが、家族や健康まで失わずに済んだのは幸運だろう。
しかしその幸運は、誰もが得られるものではなく、Kさんはたまたま支部長の意向で沼からはじき出されたことによる「不幸中の幸い」だ。また、搾取から逃げても戻れる場所がない場合は、また別の搾取にからめ取られるケースも少なくないだろう。
「いまは幸せ」と語るKさんが今後の人生の節目でこのカルト沼をどう考えるのか、影響はどうなのか。また時間をおいて聞いてみたい。
<取材・文/山田ノジル>
いまは幸せだ、と思う
「今は一番近くで私を見ていた母が、会うたびに『幸せそうな顔だ』『幸せになれてよかった』としつこいくらい喜んでくれています」
こうしてKさんは、カルト宗教の沼から出ることができた。時間は取り戻せないが、家族や健康まで失わずに済んだのは幸運だろう。
搾取から次の搾取に遭う例も
山田ノジル
自然派、○○ヒーリング、マルチ商法、フェムケア、妊活、〇〇育児。だいたいそんな感じのキーワード周辺に漂う、科学的根拠のない謎物件をウォッチング中。長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこへ潜む「トンデモ」の存在を実感。愛とツッコミ精神を交え、斬り込んでいる。2018年、当連載をベースにした著書『呪われ女子に、なっていませんか?』(KKベストセラーズ)を発売。twitter:@YamadaNojiru
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。


