ところが、問題はその後。洗濯したタオルを持って旦那さんのもとへ行くと、「わざわざありがとう」と受け取りながら、「
あなたはいつも熱心にレッスンを受けていて、前から気になっていたよ。今度お茶でも行かない?」と何のためらいもなく口にする姿に、佐竹さんは驚きます。
「『え、これってナンパじゃないの』と思いました。話すのは二回目で、仲良くもないのにこんな簡単に女性を誘うのが怖かったです。しかも、奥さんがすぐそこにいるのに」
当然その誘いに乗る気はまったく起こらず、丁重にお断りした佐竹さんでしたが、それからも旦那さんは馴れ馴れしく声をかけてきます。
「旦那さんが話しかけてくるときは必ず奥さんがいないときで、『ウェアを見に行かないか』とか『コーヒーのおいしいお店がある』とか、ジムの外で会う提案ばかりするのですよね。でも奥さんとふたりのときは絶対にほかの女性とべたべたしないし、そんな使い分けみたいなのがわかってくると余計に恐怖でした」
思い切って親しい会員さんに打ち明けると、「ああ、あの旦那さん前からそんな感じよ。奥さんに隠れて独身の女の人に声をかけているみたい」と返されてまた驚きました。
ほかにも、20代の子は「入会したすぐのときに旦那さんが寄ってきて、マシンの使い方を教えてあげると言いながら腕とか触られて気持ち悪かった」と言うのも聞いて、ぞっとしたそうです。
夫のそんな振る舞いで、一部の会員さんからは相当に嫌われているのが実際だとわかり、表面しか見ていなかった自分に気がついたという佐竹さん。
「会員さんのそういう裏話とか、それまで全然したことがなくて。当たり障りない会話ばかりみんなとしていたから、裏事情みたいなものを話す機会がなかったのですよね」