「焼肉なんて野蛮!」ダイエットをきっかけに過激な“菜食生活”にハマった女性の主張とは
筆者もいるみるくさんとだいたい同年代なので、こうした話を聞くと、学生時代に無茶なダイエットをしていた同級生たちを思い出してしまう。
「そうしているうちに、カロリーを摂るのが怖いという感覚になって、食べ吐きです。私の場合は、ものを食べたら15分が吐き戻すタイムリミット。それ以上経過すると食べたものが下へ移動してしまって吐けなくなる。低カロリーであることに加え、とろみのあるものとか、吐くことを前提に食べるものを選んでましたね。それが20歳くらいまでつづきました」
ここでいるみるくさんが話す「食べ吐き」とは、指で喉を刺激したりしてみずから嘔吐を誘発すること。一般的には「過食嘔吐」が広く知られ、摂食障害を引き起こす危険な行為だ。
当時のいるみるくさんも「このままつづけるとヤバい」という自覚は持っていた。
「そんなタイミングで、巷で流行していた『粗食のすすめ』※を知りました。これならカロリーは控えめでも健康になれそうだと思い、本にならって玄米生活を取り入れます」
※ 管理栄養士である幕内秀夫氏の著書。1995年に第1版刊行。現代人の病気は食が原因だと主張し、「本当に健康になるために」と風土に根差した伝統的な穀類中心の献立と調理方法を提唱した。「粗食ブーム」の火つけ役となり、関連書籍は累計100万部を突破したという。
「そうしているうちに、次に出会ったのはマクロビです」
「当時マドンナがはじめたことで、話題になりました。それがもう、すごくオシャレに見えまして。しかもマドンナはパーソナルシェフがいるというのが、なんだかすごかった。すっかり『こんなおしゃれで、しかもカロリーも抑えられるなんて! 最高やんけ!』と、ドはまりです。『粗食のすすめ』を雑に解釈して我流の玄米菜食生活を送っていたので、マクロビの食事ルールにはさほど抵抗はありませんでした」
マクロビオティック、通称「マクロビ」の考え方では玄米などの穀物を中心に、旬の野菜、海藻、豆類を摂ることが推奨される。
玄米、マクロビ、その次は
※ 管理栄養士である幕内秀夫氏の著書。1995年に第1版刊行。現代人の病気は食が原因だと主張し、「本当に健康になるために」と風土に根差した伝統的な穀類中心の献立と調理方法を提唱した。「粗食ブーム」の火つけ役となり、関連書籍は累計100万部を突破したという。
「そうしているうちに、次に出会ったのはマクロビです」
「おしゃれ」という落とし穴
自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。お気軽に、山田ノジルnojiruyamada@gmail.com まで、ぜひご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。


