好きな人の前ではおしとやかにいたいもの。しかし幼い頃に身体に染み付いた習慣というのはそう簡単には変えることはできません。今回は、危機的状況に素が出てしまったキュートな女性のエピソードを紹介します。 　人材派遣会社に勤めている鈴香さん（仮名・28歳）は、とある先輩に一目惚れをしていました。それは入社当時に教育係でお世話になった吉沢亮似の先輩の社員です。 「イケメンなのに全然おごったところもなくて、私に優しかったんです。それに丁寧に仕事も教えてくれて一目惚れしちゃいました」 　そんなイケメンな先輩は社内の女性人気も高く、狙っている女子社員も多かったそうです。ライバルが多数いるなか、鈴香さんは先輩の教え子という立場を最大限利用して、飲み物の差し入れや、バレンタイン、誕生日、クリスマス…チャンスを見つけてアプローチを試みました。 「社内のお姉さま方からの刺すような視線を感じたことは何度もあります。直接嫌味を言われたりもしましたが、気にしないようにしていました。それだけ真剣だったんです」 　しかし努力の甲斐むなしく、先輩が鈴香さんに特別の関心を持つことはありませんでした。 　ところがある時、鈴香さんにチャンスが訪れます。 「私は大学の頃からウクレレを趣味でずっと続けていたのですが、そしたらなんと先輩もウクレレを趣味にしていたことが判明したんです！」 　先輩との共通の趣味ということで仲は急接近。お互いの演奏発表会に出向いたり、一緒にランチをしたり、練習をしたりするうちに先輩と時間を共にすることが増えて仲良くなることができたそう。そして季節は春を迎え、花見デートをするチャンスを得ることになりました。 　春先とはいえ、まだ少し肌寒い日。この日のために通販で購入したという花柄のワンピースにピンクのカーディガンという、気合いの入ったコーディネートで待ち合わせの中目黒へ。駅で待っているとしばらくして先輩が到着し、花見デートが始まりました。 「ずっと好きだった先輩と、まるでカップルのように並んで歩いているのですから、夢みたいでした。私の手と、先輩の手が触れ合うたびに、ドキッとしました」