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あえて“夜10時”にセックスレスのドラマを放送する意義。レスは「人を傷つける」|ドラマ『あなたがしてくれなくても』

「疲れた」寝てばかりの夫に「一生寝てれば」と思う

 実際、レスで悩むアサコさん(36歳・仮名)はドラマを観ながら「泣けてきた」と言う。 「うちと同じだと思いました。結婚6年、その前2年ほどつきあっていたときは会うたび求めてきたのに、結婚したとたん激減。2年目は2回だけ。3年目からは完全レス。ちょうどそのころから私の仕事が忙しくなったんです。仕事上、コロナ禍でさらに私は多忙になり、夫はリモートワークとすれ違いにもなった。それでも私から求めたことは多々あります。夫はそのたびに『今日は久々に出社したから疲れた』とか、問題が山積みでその気になれないとか適当な言い訳ばかり
セックスレス

写真はイメージです(以下同じ)

 今はふたりとも通常出勤になったが、夫は異動になって週末が休みとは限らなくなった。そのため「すれ違い」状態はそのまま維持されてしまっている。 「私も代休などがあるので、夫の休みの日に合わせて休むことがあります。朝からドライブに行って日帰り温泉でゆっくりしようとか、映画を観てたまにはラブホにでも行ってみようとか、いろいろ計画は立てるんです。でも当日になると夫は起きてこない。先日もそんな感じで『慢性疲労なんだろうな』と自分で言うので、『だったら一生寝てれば』と言ってひとりで映画を観に行きました」

このままいつまで苦しい思いをすればいいんだろう

 それでも帰りがけに夫の好きな焼き肉でもしようと、デパ地下で肉を買って帰ったら、夫はおいしいサラダとスープを作っていた。打ち合わせもしていないのに、そういうところでは息が合っている。 30~40代のカップル一緒にいると気が休まるし、性的なこと以外は何でも話せるし、やはり好きではあるんです。だからこそつらい。その気持ちを夫はわかってくれない。私のことが嫌なわけではないし、ずっと一緒にいたい。だけど性的なことを重視していないと彼は言うんです。でも私はやはり子どもがほしいし、夫と身も心も触れあいたい。このままいつまで苦しい思いをすればいいんだろうと、ときどき考え込んでしまうことがあります」  ドラマがどういう方向に進むのかわからないが、レスは人を苦しめる。だからといって相手に強要することはできない。どうにもならない思いがアサコさんから伝わってきた。 <文/亀山早苗> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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