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48歳・独身女性「母なしでは生き方がわからない」。依存し合う“危険な母娘関係”から抜け出すには #令和の親 #令和の子

「お母さんのせいで婚期を逃した」と言うと、驚きの返事が

「会社の他部署も含めた飲み会で男性から『今度、二人で食事に行こうよ』と誘われたんです。驚きましたが、その方が長男だという情報をどこかで聞いていた気がしてとっさに断っちゃったんです。小さい頃から母に言われてきた『お婿さんをもらうんだよ』という言葉が頭によぎって、『長男はダメだ!』と。  長男とか一人っ子の男性と何かしらの関係になったとしても、あきらめなければいけなくなりますよね。それに、これ以上男性のことで頭を悩ませるのも嫌だったんです」 座り込む女性 30代になった頃、母親の勧めで2回ほどお見合いをしたこともありました。もちろん、二人とも次男以下です。しかし2~3回ほどお食事には行ったものの、いまいちピンと来ないまま自然消滅します。 「その後、私が30代半ばの頃に母が大病を患い、入院や手術などで看病することになり、恋愛や結婚どころではなくなってしまいました。40代になった頃には不思議と周囲の人も『結婚は?』とは聞いてこなくなったので、私も気が楽になり、今に至ります」  由希子さんは、母親と口喧嘩の流れで『お母さんが婿をもらえと言うから私は婚期を逃した』と責めたこともありました。でも母親からはあっさりと『そんなこと言ったかしら?』と返され、愕然(がくぜん)とします。  由希子さんの心の中ではずっと重くのしかかっていた『お婿さんをもらうのよ』という言葉を、母親本人はまるで記憶していなかったのです。

母が亡くなったら、どう生きればいいかわからない

 今となっては言い争いになる回数は減り、一番の楽しみは母親と韓国ドラマ『医師チャ・ジョンスク』を観ることだとか。 「母とはたまに些細な言い争いをしながらも、仲良くしています。母の『お金がない』という愚痴に対し、私が『似たような服ばかり買うからでしょう』と注意したり、母が私の仕事の取りとめもない愚痴を聞いて『そんなに嫌なら私が上司の人に連絡して、会社を辞めさせてもらおうか?』と言ったり。そんな毎日です。  でも、たまに母から言われる『いずれ私が先に死ぬんだから、パートナーは探しなさい』という言葉が、また常に心に響いて、面倒だなあと。母が亡くなった後はどう生きたらいいかわからないんです。今はまだ母が元気だから、面倒なことは後回しにしてしまっています」 大人の母娘 由希子さんにとって、母親とはどんな存在なのでしょうか? 「母は、私にとっては父でもあるし、姉でもあり友達でもある……そんな存在です」
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公認心理師「依存し合っている関係に気づいていない」
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