乳がんの診察で医師から激怒されたワケ。ショックで混乱する私に語りかけてくれたのは…
2016年のクリスマスイブに突如乳がん宣告。(ステージⅡB)。晴天の霹靂だった「がん宣告」から約1年間、泣いたり笑ったり怒涛の日々を駆け抜けた、私のがん治療ドキュメンタリーを連載でお届けしています。
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クリニックで乳がんと診断され、紹介状を持って都内のがん専門病院を訪れた初診の日。
「いよいよ始まる」と緊張した気持ちで病院に入りました。広々とした受付ロビーは、たくさんの人であふれかえっていました。
不思議なことに、この光景を見てわたしは正直ほっとしました。なぜなら、ここはがん専門病院。ここに来ている患者さんは全員「がん患者、もしくはその家族」のはずです。けれど、わたしが想像していたような「どんより感」は、この病院にはありませんでした。
キレイな20階建てのビル、ガラス張りのオープンな雰囲気のロビー。なんとなく全体的に雰囲気が明るいのです。外来なので当たり前ですが、パッと見てすぐにがんに見える人はとても少なく「ここにいる人ってみんな『がん』なんだ。私だけじゃないんだ」と思うと、一人じゃないんだという気持ちが湧いてきました。
乳がん宣告を受けてから、ずっと一人であれこれ調べて不安になっていた私は、ここにいる人たちみんなと共にがんの治療を頑張ろう、と前向きな気持ちになりました。
受付を済ませ、乳腺外科の待合室へ。こちらも人でごった返していました。ドキドキしながらしばらく待って、診察室へ。診察は乳腺外科長のA先生でした。
がん関連のWEBサイトで先生のインタビューを見たことがあり、写真で優しそうな印象だなと思っていましたが、実際の先生は少し怖そうで、ぶっきらぼうな感じでした。
先生は紹介状の内容を読んでから「手術は必要と思いますが、まずは精密検査してからですね」と言って、手元のパソコンで精密検査の予約をじゃんじゃん入れ始めました。
もちろん病院を最優先にするつもりではいましたが、それでも都合の悪い日もあるため「この日は都合が悪いのですが……」というと少し不機嫌な様子に。「たくさん患者さんがいて検査の予約がなかなか取れないからこの日で!」と押し通されてしまいました。
乳がんの治療が始まることで不安でいっぱいな私は、もっと詳しい説明が聞きたかったのに、何の説明もなく精密検査の予約表だけ渡されたことがショックでした。
がんの専門病院だから、乳がんの患者さんなんて1日に何百人も来るのだろうし、いちいち患者さんの不安に寄り添う暇はないのだろうと想像はできましたが、少しだけ質問をしたくて先生に話しかけました。それがなんと先生の地雷を踏んでしまったのです!