距離を置いても脱会はしない「ゆるい宗教2世3世」たち
由美さんが熱心に信仰していたのは、大学生ぐらいまででした。
社会人になってから、「小学校の卒業アルバムを見て、同級生に電話して会う約束をとりつける」という役を課せられたことがあったという由美さん。選挙前に某政党への投票を依頼するのがAの幹部の狙いでしたが、由美さんは友人に言い出せず、ただご飯を食べて遊んで終わりました。

「矛盾を感じること思うことが増えて、集会などは行かなくなりました。献金や、何かの購入も、もうしていませんが、
ただ脱会はしていません。
Aを脱会した友人は、親に『脱会したい』と言ったら、Aの幹部と面談することになり、そのあと脱会届を出して辞めていきました。すると信者の親族にも脱会したことが伝わります。
親にとって脱会は地獄に落ちるようなインパクトなので、はっきり脱会する意思を示すと色々と面倒で、籍は残しています」
20代で婚約破棄になった理由は「宗教じゃなかった」
宗教2世・3世にはスピリチュアルや宗教的なものを好む人も多く、由美さんも例外ではありません。誘われたら、他の宗教施設にお参りに行くことも多かったそうです。しかし20代後半まで、初詣には行ったことがなかったとか。

現在も由美さんは、神社仏閣巡りをよくしているという(本人提供写真)
20代後半のころに友達の紹介で出会って付き合った彼氏とは、結婚の話も出て、相手の親にも会いました。宗教のことも打ち明け、受け入れてもらったものの、最終的には価値観や金銭感覚の不一致で結婚には至りませんでした。
当たり前ですが、結婚がダメになる理由は実家の信仰以外にもあるのです。