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NHK『大奥』、愛希れいか“家定”のツンデレが炸裂。福士蒼汰“胤篤”が非情な現実に叫び、古川雄大“瀧山”が支える

大奥(C)NHKNHK男女逆転『大奥』の幕末編、第18話が21日に放送された。 薩摩の駒として、13代将軍、徳川家定(愛希れいか)のもとへ送り込まれた胤篤(福士蒼汰)だったが、彼の心には真の愛が宿っていく。ともに時を刻んでいきたいのは、家定とお腹の子。そう決意し、気持ちを確かめ合った矢先、その相手を失ったなら……。 自暴自棄になる胤篤を支えたのは、当初は相いれなかったはずの瀧山(古川雄大)だった。 【画像で振り返る大奥18話】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

一見恐ろしい井伊直弼の言葉は、確かに世の習い

阿部正弘(瀧内公美)の死と、通商条約の調印を進めていた堀田正睦(高木渉)の失態が重なった家定は、ついに倒れてしまう。表では、開国派の井伊直弼(津田健次郎)が大老に就任。水戸の一橋慶喜(大東駿介)との間で揺れていた時期将軍争いは、紀州の福子姫(志田彩良)で落ち着くことなった。 そんな折、家定が懐妊する。待望の妊娠といっていい。胤篤は素直に喜んだ。何も間違ってはいない。しかし、井伊の「孕んだとて無事に生まれるかどうかなど、分からぬではないか。わしは世の習いを申したまでじゃ」もまた間違ってはいない。胤篤との生活で健康になってきたとはいえ、もとより体の弱かった家定。先に床に伏したのも、妊娠が理由ならば話は違うが、心労がたたってのことだ。 体調の戻って来た家定だが、つわりで食欲はわかず、料理を残してしまったことを気にして、菓子作りを名目に御膳所に出向く。あくまでも「単なる(菓子作りの)腕自慢じゃ」と言い張る家定の姿を、胤篤は愛らしく思う。一方、手作りのカステラを「格別でございますな!」と美味しそうに食べる胤篤に、家定は嬉しさと愛おしさを隠せない。ふたりの距離は一層近づいていた。

家定と胤篤にぴったりだった花菖蒲の青

梅雨の晴れ間、流水紋の裃を着た胤篤に「花菖蒲を見ましょう」と誘われた家定は、その美しさを目にして息を飲む。第18話では、家定と胤篤のふたりの世界が、青を基調にまとめられていた。庭で見事に咲いていた花菖蒲も青(紫)であり、その花言葉には「優雅」や「優しい心」などがある。そして「あなたを信じる」というものも。まさにふたりにぴったりだ。 さて、胤篤の裃姿を見て、ツンデレが炸裂し、政務が忙しいからと一旦、その場をそそくさと後にし、夜、再び訪れた家定。三日月とホタルの優しい灯のもとで、目に涙をいっぱい溜めながら、彼女は「好きだ。私はそなたが好きなのだ」と、ついに心を開いた。幼いころから父・家慶(高嶋政伸)の慰み者とされ、自らの声を、心を必死に閉じ込めてきた。男を「好き」などと思う気持ちは分からなかった家定。だがそれは、失っていたのではなく、しっかりと彼女の体の奥の奥にしまわれていた。それを胤篤がそっと掬い、流水紋が表まで美しく流し出してくれたのだろう。 「私もにございます」と応えた胤篤の言葉にも、嘘は感じられない。胤篤は家定にふたりの繋がりの証として、揃いの懐中時計を手渡す。これで離れていても、いつでも、ともに時を刻んでいると実感できると、肩を寄せ合うシルエットが美しい。
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「今江戸城には主はおらぬ」の意味
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