
子ども同士のトラブルと合わせて、ママ友同士のトラブルについてはどうなのでしょう。一部では受験校や合否は明かさないほうがいいとも聞きますが……。
「ママ友同士のトラブルでよく聞くのは、『ママ友の情報に自分が振り回されて疲弊する』といったものがあります。ママが集まり情報交換する中で『お姉ちゃんはこういうことして難関校に入れた』みたいな情報が明かされ、マウントを取られると同時に、その成功例に振り回されてしまうのです。
でも考えて欲しいんですが、それはただの一つの成功事例でしかありません。お受験の代名詞として名高い佐藤ママ(佐藤亮子氏。4きょうだい全員を東大理三に合格させた教育評論家)だって、4人全員を東大に入れてはいますが、それぞれの子どもに対してフォローの仕方を変えています。きょうだいであったとしても同じやり方では上手くいかないことを体現してくれているのです。
つまり、ママ友の話は、ただのエビデンスのない成功事例の一つでしかありません。たまたまそのやり方がその子に合っていただけという話。そういった素人情報は受験に必要ないし、自分の家庭に当てはまるのかは、しっかりと取捨選択しないと疲弊します」
ママ友付き合いでは、しんどさの共有程度にとどめることをオススメすると長谷川さんは話します。
「5年生くらいになると、どうしても成績の上下が顕著に出はじめます。そうなったとき、子どもの成績の明かし合う関係性だと、上だろうが下だろうが、必然的的にしんどくなります。『お互い頑張ろうね』といった空気になるためにも、愚痴を言い合う程度の関係に留めることが重要です」
受験のプロが「受験の成功は親が1割」と力説する理由
親が疲弊すると、当然子どもにいい影響はありません。他にも親同士の付き合いやスタンスについて、気をつけるべき点を教えていただきました。
「我が子の受験情報は不用意に明かさないほうがいいとは思いますが、『難関校に受かった』などの話は、当人が話さなくても勝手に広まりますので、ある程度割り切りましょう。そのときの親の対応としては、あくまでも子どもが頑張っただけだというスタンスを取って欲しいです。
逆に子どもの受験結果が思ったようにいかなくても、変に劣等感を持たず、運だと割り切りましょう。もちろん受験の運も、読書や計算力をつけることで巡りを良くすることはできます。しかし、そうはいってもコントロールできない要素はゼロにはできませんので、思い詰めないで欲しいです」
長谷川さんに中学受験における運の要素の割合をズバリ聞くと、「運は4割!」と話します。意外と多くてびっくりするのですが……。
「中学受験は、子どもの努力が5割、運が4割、親の努力が1割だと思います。意外に思われるかもしれませんが、運の要素は結構大きいです。例えば塾選びでみたとき、1科目だけでも嫌いな先生がいたら終わりみたいなところがあります。転塾するにしても、慣れない環境におかれることによって基本的に学習効率が下がるので、ネガティブな要因になりやすいです。
受験の前段階として公文式(公文教育研究会が提供する、自学自習形式で伸ばす塾)を始める子も多いですが、こちらも子どもの理解度に合わせて進める先生と、カリキュラムのペースを重視し、同じことを繰り返す先生がいます。これは校舎の当たり外れなわけですが、入るまでは分かりません。親は入塾後など、子どもの様子をしっかり観察する必要はありますが、運が悪かったと割り切るドライさも持って欲しいです」