気になり様子を見に行ってみると、麦わら帽子をかぶったナナちゃんが嫌そうに首を振っていて、隣にいた正人さんが「
すごく可愛くない? これ安くはなかったし無駄にはできないよね」と微笑みました。

「どう見ても嫌がっているのに無理矢理なにやってくれてんだよ? と頭にきました。すぐにナナの帽子を脱がして『
いくらしたの? お金なら払うし、とりあえず今日は帰ってもらえないかな』と言いました。そんな私の、怒りに震えて殺気立った感じが伝わったのか、正人さんは黙って帰り支度を始めたんですよ」
そして帰り際、正人さんが「またね」とナナちゃんの頭を撫でようと手を伸ばすと……。
「そしたらナナが尻尾を巻いて逃げて明らかに怯えていたので『あ、これはやっぱりかなり強引に押さえつけて帽子をかぶせたに違いないな』と思い、正人さんを帰らせた後にLINEで別れを告げたんです」
“せっかく買ってきた帽子や靴を喜んで身につけてほしい”という身勝手な思いを、力ずくでナナちゃんに押し付けるような正人さんの行動に、麗香さんはガッカリしてしまいました。
「ナナと信頼関係を築けない男性とお付き合いはできないし、
きっと正人さんは子どもができても自分の感情を優先しそうで怖いなと思ってしまいましたね」
そして正人さんは、麗香さんからのお別れのメッセージを既読スルーし、その後何の連絡も来なかったそう。
「面倒臭いことにならなくて助かりました。ですがナナに悪いことをしてしまったので、当分男性を部屋に入れたくないですね」とため息をつく麗香さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop