そんなある日、また舞香さんがソファーで力尽きて寝ていると残業を終えた浩史さんが帰ってきました。
「そしたら、家事もろくにせず化粧も落とさないで寝ている私に、浩史が自分用に買ってきた牛丼を分けてくれたんですよ。それがなんだか嬉しくて。少し甘えた気持ちになり、つい浩史に『私は多分今更年期で、何をやるのもダルくて、お風呂に入るのも一苦労な状態で……』と自分の現状を愚痴まじりに話したんです」
すると浩史さんはじっくりと話を聞いてくれて「そうだったんだね。じゃあドライヤーとスキンケアは俺がやるから、今残ってる力は全部、身体を洗うことに使ってよ」と、お風呂を洗ってお湯を張ってくれたそう。
「まさかそんな風に言ってくれるなんて思ってもいなかったので、驚いてしまいました。そしてせっかくなのでゆっくりとお風呂に入らせてもらったんですよ」
お風呂から出ると本当に浩史さんがドライヤーで髪を丁寧に乾かしてくれました。
「最初は気恥ずかしかったのですが、髪を乾かしてもらうのって妙に気持ちよくて……。ずっとセックスレスだったので久々のスキンシップだったんですよね」

スキンケアは浩史さんが顔にシートパックを貼ってくれて、その後はさらに「お疲れ様」と冷蔵庫から缶ビールを持ってきてくれたそう。
「更年期の私の不調を受け止めて、しかも応援してくれるなんてと、夫の優しさが身に染みたんですよね。その時に、自分は本当はずっと浩史に相談したり愚痴ったりしたかったけど、嫌な顔をされたり否定的なことを言われるのが怖かったのかもしれないな、と思いました」