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「おまえは醜い」「消えろ」…母に否定され続けた私が、自己肯定感を取り戻すまで

結局、人との関わりが肯定感を上げてくれる

おおたわ:わたしにとっては結婚も、肯定感を上げてくれた出来事のひとつです。この世の中でたった1人でも自分を認めてくれる人がいる、そんな風に思えた。 今でも覚えていますが、中学生の頃、友達と「ねえ、もしも神様がいて、たったひとつだけ願いを叶えてくれるって言ったら何を願う?」という話をしてたんですね。私は一瞬で、こう答えました。「心から安心できる場所がひとつ欲しい」って。 結婚によってやっと心から安心できる場所を得ることができたのかもしれません。
おおたわ・大日方さん

おおたわさんと。左は筆者(大日方理子)

――肯定感が低い人はどうやって生きて行ったらいいでしょうか?やはり成功体験が大切ですか? おおたわ:もちろん、肯定感の低さを埋めるための努力は無駄にならないと思います。勉強したり、一生懸命に仕事をするのも、すごく大事だと思う。そこで得たことは誰かに奪われることがないものだし、ひとつひとつのことが少しずつ自分の肯定感を押し上げてくれると思います。ただ、自分だけで自己肯定感を上げるのは限界があるかもしれない。 親が肯定感を育ててくれたら1番ありがたいけれど、色んな家庭環境があって、それがうまくいかないこともあるでしょう。親だけじゃなくて、その後の人生で知り合う人たちが、あなたのことを認めてくれたり、褒めてくれたり、好きになってくれる可能性があると思う。 私も中学・高校・大学で出会った友人や、夫や、仕事で関わった色んな人たちが、少しずつ自分の気持ちを押し上げてくれました。人との関わりをなるべく怖がらずに、行動していったらいいんじゃないかなと思います。 <取材・文/大日方理子 撮影/山田耕司(扶桑社)>
おおたわ史絵
東京女子医科大学卒業。大学病院、救命救急センター、地域開業医を経て現職。刑務所受刑者の診療にも携わる。また、情報番組などのコメンテーターとしても活躍。著書『女医の花道!』はベストセラーとなり、近著に『プリズン・ドクター』『母を捨てるということ』などがある
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