森且行、心の支えにする「SMAPの名曲」…グループ脱退から28年、今も歌詞を口ずさむ
仲良しの兄、「弟、全然ダメじゃん」と周囲に言われたことも
――本編には森さんの兄・久典さんもたくさん登場しています。「弟はアイドルとオートレーサー、両方の夢を叶えてくれた」と話していますね。
森:兄貴はね、めちゃくちゃ僕に優しいんです。
でも僕の成績が悪いときには、兄貴も「弟何やってんの」「弟、全然ダメじゃん」みたいなことを周りから結構言われたらしいんです。だから兄貴や兄貴の友達、周りのためにも日本一にならなきゃと思っていました。
――幼少期のご苦労も明かされます。おふたりの思い出の公園にも行かれていました。一緒にオートレースごっこをしていたと。
森:でも兄貴は、本当はそれほどオートレースごっこを好きじゃなかったんじゃないかな。
僕のために付き合ってくれていたんじゃないかと思います。なんども転校していて、なかなか友達もできないなかで、兄貴が一番の友達でした。
学校の子たちに「オートレースごっこしようぜ」なんて言っても、実際にレースを観たこともないし、理解もしてくれない。でも兄貴は一緒に観たことがあったし。いろいろと付き合ってくれましたね。
いまでも本当に仲がいいんです。顔も似てるし体型も一緒だし。歩いてる姿を後ろから見たら見分けがつかないんじゃないかな。実際、高校のときなんか、同級生が兄貴に向かって、僕の名前を呼ぶことが何度もありましたからね。
「ファンがいなくても」って。それは間違いだった
――ファンの存在についても聞かせてください。本編にもリハビリ中にファンから届いた応援の手紙などが映し出されていました。ファンに対しての気持ちに変化はありますか?
森:芸能界にいたときは、応援してもらうのがすごく嬉しくて、コンサートでうちわを持ってくれている姿なんかを見ると、最高に気分が良くて。でもオートレースって、応援してもらっても結局は自分が勝たなかったら賞金も入ってこない。
だからレーサーになったとき、ちょっと生意気だったのかな、一度、何かのインタビューで言っちゃったんです。「ファンがいなくても、強くなればそれでいい」って。
でもそれって、やっぱり全然間違いで。ファンがいてくれないと力も出ない。応援してくれる人がいないと、速く走れないんです。
――当時の森さんにとっては、自分を奮い立たせようとする言葉だったんでしょうね。
森:そうですね。強くなれば、ファンは付いてきてくれるだろうという考えだったんだと思います。今思うと、ほんと生意気なことを言ったなと。
――それでもファンはついてきてくれた。
森:そう、ありがたいことに。ケガして2年3か月も走ってなかったら、やっぱりちょっとは気持ちも薄れてくるじゃないですか。でも「待ってますよ」ってみんな言ってくれて。感謝しかないです。
そこに穂坂監督が現れてくれて、テレビ(TBS系列『情熱大陸』)で僕の頑張っている姿を映しだしてくれた。ファンにとっては、穂坂監督は神様的存在ですよね。
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