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親子で料理、レシピ通りにいかない場合に子どもにかける意外な言葉とは?「失敗はない」発想に目からウロコ

子どもが主体的に取り組むためには?

――おうち実験について、親の方が前のめりになってしまうと、子どもが”やらされている感”を持ってしまうことがあると思います。子どもが自分から楽しんで取り組めるようにするためには何が大切なのでしょうか? 露久保:前提として、「やってみたいものはどれ?」と子どもに興味のある実験を選んでもらうことと、作業をお子さん自身にやってもらうことだと思います。 作業中は、「今どんな匂いか嗅いでみて」と言うと指示になってしまうので、保護者の方が匂いを嗅ぎながら「へえ~」と感心してみたり、味見してみたりしてください。大人が楽しんでいる姿を見ると、子どもは真似したくなるはずです。 「どんな匂いがするの?」と聞かれたら、答えを教えずに「自分で嗅いでみたらいいんじゃない」と促してあげる。子ども自身が一緒にやってみたいと思えるようなサポートをするといいのではないでしょうか。
親子 台所 料理

写真はイメージです

――子どもが作業していると、つい「そんなやり方じゃこぼすよ!」と口うるさく言ってしまいそうになります。どう見守ればいいのでしょうか。 露久保:まずは安全が保たれることが大前提なので、火の扱いや、手を切らないようにサポートすることは必要です。 でも、材料をこぼすくらいはいいと思います。私の場合は、実験講座で子ども達が作業するのを「この持ち方だと、どれくらいこぼすんだろう」と観察することも子どもを知る事であり、ひとつの学びとして楽しんでいます。 ご家庭でも、子どもがどんなやり方をするのか観察することを楽しみにするといいかもしれません。そして、「こういう持ち方するとこぼれると分かったね、次はこういう持ち方してみよう」と、具体的に持ち方の見本を見せながら伝えてあげるといいと思います。あとは、こぼした時の掃除の仕方を学ぶ時間にしたらいいのではないでしょうか。

実験した人にしか分からないことがある

――おうち実験を始めるのに、おすすめの実験はありますか?
露久保美夏 『キッチンラボ 作って食べておうち実験!』(偕成社)より

露久保美夏 『キッチンラボ 作って食べておうち実験!』(偕成社)より

露久保:「ふっくら&ぎっしりカップケーキ」という実験は、小学生から高校生まで幅広く取り組んでもらいやすいと思います。 2種類のカップケーキを作って比べるのですが、「どんな違いがあるだろう」という予想が立てやすいんです。焼く前の生地の状態を比べても違いが見えてくるので、各工程で気づきや発見の言葉が出てきやすいんです。出来上がったら食べながら、ふくらみ方や、食感、甘さに違いがあるのか話し合って楽しんでもらえると思います。
露久保美夏 『キッチンラボ 作って食べておうち実験!』(偕成社)より

露久保美夏 『キッチンラボ 作って食べておうち実験!』(偕成社)より

――表紙に登場している「納豆でのびーるアイスクリーム」が気になるのですが、納豆の匂いはするのでしょうか? 露久保:それは是非作ってみてください!読者の方から「これはどんな味なんですか?」と質問をいただくことが多いのですが、匂いや味は人によって感じ方が違います。 私が「匂いは気にならない」と言ったとしても、わずかな納豆の匂いをキャッチする人がいるかもしれませんし、言葉では伝わらない部分があると思います。実際の味や匂いは、実験した人しか感じられないことなので、作ってみて楽しんでくださいね。 【後編はコチラ!露久保美夏先生インタビュー】⇒子どもを科学嫌いにさせないためには?食育からの大事なポイント 【露久保美夏】東洋大学食環境科学部食環境科学科准教授。博士(学術)。専門は調理科学、食育。小学生を対象とした親子の食育プログラムや、科学実験講座を定期的に実施。「所さんの目がテン!」(日本テレビ)に不定期出演。 <文/都田ミツコ>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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