「夫がボソリと小さな声で、『なんなら、もっと怒ってほしいかも……』なんて言いはじめたんです。私はSMプレイには興味がないし、こっちは怒っているのに夫は妙に興奮気味という変な感じも気持ちが悪くて、もはや話し合いにもならなくなりました」

それでも一瞬は、2人でSMプレイを楽しんでいるところも想像してみた香織さん。しかし、「冷静に考えると、やっぱりダメでした。私は男性にリードしてもらってだんだんとソノ気になるタイプ。言葉責めや女王様役をするのは、私には無理だと思いました」と早々にあきらめます。
「暴露してラクになったのか、夫は『性の問題さえなければ、僕たちはうまくいってたじゃん。お互い、少しずつ歩み寄ろうよ』『最初は、軽い言葉責めからでいいから』などと提案してくるようになりました。私は提案には乗れず、ますます夫の性癖が許せなくなっていきました。
結局、そのまま収拾がつかずに離婚話にまで発展し、破局しました」

ただ、「性は奥深いもの。理性や想いではどうにもできないこともあるのだと実感しましたし、秘密のままがいいこともあるのだと、あらためて反省しました」と香織さんは言います。
誰かと長く仲良くいるためには、秘密を無理に暴こうとせず、そっとしておいたほうがいいこともあるかもしれません。
―シリーズ「男と女の『ゆるせない話』」―
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<取材・文/山内良子>
山内良子
フリーライター。ライフ系や節約、歴史や日本文化を中心に、取材や経営者向けの記事も執筆。おいしいものや楽しいこと、旅行が大好き! 金融会社での勤務経験や接客改善業務での経験を活かした記事も得意。