
※イメージです
成長期の子どもにとって睡眠が重要であることはイメージできるでしょう。特に乳幼児期は脳の成長が顕著な時期。神経回路が作られるだけでなく、記憶などを司る海馬の発達にも大きく影響が出ることがわかっています(※1)。
他にも、睡眠不足によってもたらされる悪影響として、認知機能(記憶・思考・集中)の低下や問題行動の増加、食欲不振やメンタルヘルスの悪化までもが具体的に指摘されています。つまり、食べる気にならない、食事に集中できない原因の一つとして、子どもの睡眠不足が考えられるのです。
ちなみに子どもの睡眠時間として推奨されているのは、
1~2歳⇒11~14時間
3~5歳⇒10~13時間
小学生⇒9~12時間
中高生⇒8~10時間
(米国国立睡眠財団による推奨睡眠時間)
皆さんのお子さんはこれを満たしていますか? 我が家の場合(9歳小学生)、就寝が22時半で起床が6時半で8時間となり、推奨時間を満たしていないことになります。
また厚生労働省によれば(※2)、3歳児未満の乳幼児の睡眠時間を世界で比較した場合、日本が世界でもっとも短いということが判明しています。
このことから、睡眠時間を改善すれば食事時間が短くなるということを断定するつもりはまったくありません。しかしながら睡眠不足が学習や情緒面に悪影響を与えるということは事実。
最近では睡眠不足によって生活習慣、食習慣が乱れてしまう可能性があることを指摘する専門家も目立つようになりました。
ですから、まずは子どもの睡眠時間をチェックしてみて、問題がある場合に解消していくことを考えてみる。その次のステップで食事の姿勢を親子で見直していく、一緒に考えていくという進め方はいかがでしょうか?
私としても次回以降の食育コラムにおいて、子どもがスムーズに食事をしてくれるための具体的な工夫についてご紹介していきたいと考えています。
私自身、今の時代に合うような食育・教育を追求していますが、もっとも実感するのは、「寝る子は育つ」という言葉の重みです。適度によく寝た翌朝の子どもの表情や機嫌は、どんな教育にも代えがたい健やかさがあります。すこしでも良いきっかけにしていただけたら嬉しく思います。
※1…
東北メディカル・メガバンク機構HP
※2…「
未就学児の睡眠指針」(厚生労働省「健やか親子21」より)
<文/食文化研究家 スギアカツキ>