──お子さんに性教育をする中で、親御さん自身の認識も変わるといいですね。
フクチ「実際に親御さんが、お子さんに勇気を振り絞ってこの本を渡したというお話を聞きました。渡すときは、『性教育の話をしたら親である自分が汚いと思われるんじゃないか』と不安だったけれど、
実際に渡したら『おもしろくてわかりやすかったよ』と、子どもがいつもと変わらない様子でいて安心したそうです」
──素敵なお話ですね。
フクチ「すごくうれしい声でした。お子さんへの性教育はもちろんですが、
まずは親御さんが今まで抱えてきた『性』に対する気持ちをほぐせたらと思っています。自分を大切にすること、相手を大切にすることを大人も子どもも学べる内容になっています」
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こんなことまで子どもに教えて大丈夫なのか? 親が抱える性教育の不安の中には、お話にあったように、アダルトコンテンツを目にして無意識のうちに傷ついた過去があるのかもしれません。
支配する性を表現するアダルトコンテンツと、生きることを伝える性教育は全く別の物。だからこそ、心配しないで子どもたちに性教育をしてもいいとフクチさんは言います。性教育は自分と他者を大切にするために学ぶもの、という本質に触れて気持ちを癒すためにも、大人こそ本書を手にとる必要があるのかもしれません。
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【
フクチマミ】
1980年生まれ。マンガイラストレーター。「わかりにくいものを、わかりやすく」をモットーに、日常生活で感じる難しいことを取材し紐解いて伝えるコミックエッセイを多数刊行。『マンガで読む 妊娠・出産の予習BOOK』(大和書房)、『マンガで読む 育児のお悩み解決BOOK』(主婦の友社)、『おうち性教育はじめます』、『おうち性教育はじめます 思春期と家族編』(ともにKADOKAWA、村瀬 幸浩 共著)、『
こどもせいきょういくはじめます』(KADOKAWA、村瀬 幸浩 北山 ひと美 共著)など著書多数。
<取材・文/瀧戸詠未 漫画/フクチマミ>