Love

“口だけマッチョ”の意識高い系デブと付き合った“私”の末路。プロテインの前に常識を摂取してくれ。

「ポテトにたんぱく質足せますか?」とかやめてくれ

そんな意識だけ健康オタクな彼は、さらに暴走します。
筋トレ教男性③

画像はイメージです。※画像生成にAIを使用しています

「『ポテトになにかたんぱく質付けられないんですか!? 別料金でもいいんで!』って言い放ったんですよ(笑)。34歳のいい歳した大人が何言ってるのってどん引きしちゃいました。『塩の代わりにプロテインかけろってか!?』って心の中で突っ込んじゃいました。結局大盛のチキンソテーに、大盛のフライドポテトを付けていましたが、もう恥ずかしくて同じ空間にいたくなかったです……」 店員さんに大声で無理な注文をつけた姿を見て、急激に愛が冷めはじめたという田野さん。しかし、愛が冷める事件はこれだけでは終わりませんでした。

屋台メシにダメ出し連発。もはや夏の風物詩ですらない

筋トレ教男性④

画像はイメージです。※画像生成にAIを使用しています

「夏祭りに、近所の神社に行ったときのこと。やきそばとかたこ焼きの屋台を見て、『わー!なに食べようかな』って私が楽しんでいたのに、彼は『どれもほとんどたんぱく質ないじゃん』『太るだけの食べものだ』って文句しか言わない。しかもお店の人に聞こえるくらいの声で言うから、どこに行っても一瞬場の空気が凍ってしまって。 かき氷やチョコバナナを買おうとしても、『わざわざ金を脂肪に変えるとかウケる(笑)』『いい歳なんだから、栄養面気にしようよ』って水を差してくるんです 屋台は食べ物の栄養を気にするというより、場の雰囲気を楽しみたいって思いが強いのに、いちいち隣で文句を言われるとテンションが下がってしまって……。10軒くらい屋台を見ていたのですが、すべて隣で文句を言ってくる。さすがにむかついて、さっさと帰ってきちゃいました」 食事のたびに隣で小言を言われ、しかし彼は鍛えるどころか太り続けるばかり。 「作った手料理のチャーハンも、『たんぱく質少なすぎ(笑)。カップラーメンレベル』とか『炭水化物の塊とかひどすぎてウケる』と言われて、SNSに晒されたりしていました。言っていることと体型が反比例しすぎてもうムリ。 彼が『健康にいいから』と言って、ゆで卵6個に大好物のマヨネーズをたっぷりとかけ、へびのように丸飲みしている姿が本当に気持ち悪くて、その場で別れを告げて出てきました。健康への意識“だけ”が高すぎる人は、もうムリです」 健康志向や筋トレそのものが悪いわけではありませんが、大切なのは“誰かと楽しむ時間”や“思いやり”を忘れないこと。PFCバランスよりもまず、心のバランスを整えることが、豊かな人間関係には必要なのかもしれません。 <文/青山ゆずこ>
青山ゆずこ
漫画家・ライター。雑誌の記者として活動しつつ、認知症に向き合う祖父母と25歳から同居。著書に、約7年間の在宅介護を綴ったノンフィクション漫画『ばーちゃんがゴリラになっちゃった。』(徳間書店)、精神科診療のなぞに迫る『【心の病】はこうして治る まんがルポ 精神科医に行ってみた!』(扶桑社)。介護経験を踏まえ、ヤングケアラーと呼ばれる子どもたちをテーマに取材を進めている。Twitter:@yuzubird
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