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子どもが海で溺れやすいのは「7歳と14歳」。その“ゾッとする理由”と「見守りの鉄則」─“砂浜から見守る”では手遅れに

 夏になると後を絶たないのが、海や川での水難事故です。日本財団「海と日本PROJECT」が公表している、『「海のそなえ」水難事故に関する調査サマリー』によれば、年間の水難者数は約1600人、死者・行方不明者数は約800人にのぼり、死者・行方不明者のうち約51%が海で発生しているという結果が出ています。  さらにこの時期になると、子どもが水難事故に巻き込まれる痛ましい報道を目にすることも少なくありません。特にお子さんがいる家庭にとっては、決して他人事とは言えない深刻な問題でしょう。
海水浴 親子 夏休み

※画像はイメージです

 では、どうすれば子どもの海での水難事故を防げるのでしょうか? 公益財団法人・日本ライフセービング協会の田村憲章さんに、今回は「海で子どもの命を守るための“鉄則”」を聞きました。子どもを連れて海に出かける前に、ぜひ大人も子どももみんなでチェックしてみてください。 【関連記事】⇒「うちの子は泳げるから」が危ない。海で子どもが溺れる“意外な原因”と「午後2時」に潜む危険 【関連記事】⇒海でよく見る「非常に危険な遊具」とは? ライフセーバーが警鐘。浮き輪やライフジャケットが“命取り”になることも

7歳、14歳の子どもに水難事故が起きやすい理由

――子どもの溺水事故が後を絶ちませんが、特に何歳くらいの子どもに注意が必要でしょうか。 田村憲章さん(以下、田村):水難事故については、子どもの場合、7歳と14歳に発生のピークがあるというデータがあります。私の実感としても、7歳くらいの子どもの場合、「うちの子は泳げるから」と親が目を離して、溺水につながるケースが多いように感じます。また、14歳になると親が同行せず、子どもだけで海に出かけるケースも増えてくるため、注意が必要です。
「海のそなえ」水難事故に関する調査サマリー

参考:『「海のそなえ」水難事故に関する調査サマリー』日本財団 海と日本PROJECT

――親が目を離した隙にということですね。 田村:そうですね。特に最近、海水浴場で多いのが、保護者が浜辺でスマホを見ている間に子どもが溺れてしまうケースです。「子どもだけで遊んでいるけど、大丈夫かな?」と思って周囲を見渡すと、少し離れた場所で親らしき人がスマホに夢中になっている、という光景をよく目にします。  親は「見ているつもり」でも、スマホに気を取られているうちに、子どもがどこかへ行ってしまったり、事故に巻き込まれてしまうことが多いのです。 ――スマホを見始めると、つい夢中になってしまうこともありますよね。 田村:そうですね。子どもは一瞬で沖に流されたり、姿が見えなくなってしまうことがあるので、本当に注意が必要です。  また、14歳前後の子どもについては、親が「もう大きくなったから、子どもだけで海に行っても大丈夫」と考えていることが多いようです。実際に、子どもだけで海に来ている姿もよく見かけます。ですが、プールと海とでは状況がまったく異なりますし、子どもだけだと気が大きくなって無理をしてしまうこともあります。

「もう大きいから」子ども同士でのお出かけこそ危険

――友達同士で海に行くとテンションも上がりますよね。 田村:そうですね。実際、14歳くらいの子どもが友達だけで海にいる様子を見ていると、いいところを見せようとしているのか、遠くまで泳いだり、浅い場所で飛び込もうとしたりと、ヒヤリとする場面がよくあります。やはり、子どもだけで海に行かせるのは危険です。
田村憲章さん

公益財団法人・日本ライフセービング協会の田村憲章さん

――私たち親が注意すべきことがあれば教えてください。 田村:まず大切なのは、海に行く前の準備です。必ず朝に天気予報を確認してください。特に注目してほしいのが「風の強さ」です。風が強い日は、浮き具が流されたり、体が押し戻されたりする危険性が高まります。台風が近づいていたり、強風注意報が出ている日は、海に入るのを控えることが重要です。  雨そのものが海に大きな影響を与えることはあまりありませんが、雷の予報が出ている場合は、海遊びを中止してください。落雷の危険があります。
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子どもと海に行くなら、必須のアイテムは
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