──被害者側が謝る筋合いはないのに……。

「加害者は延々と『君の行動や言動のせいでこうなった。だからまた送ってくるように』と主張する。このサイクルに乗せてしまうんですよね。さらに『送った以上は君も捕まるよ』『警察に相談したら学校にも話がいくよ』『親が悲しむよ』と追い詰めていくんです。
でも、
はっきりと言えることは、送った側は何の罪にも問われません。送らせて所持をしている人間こそが犯罪者なんです。たとえ警察に相談をしても、学校に知られるという考え方も大きな間違い。警察は不用意に別の機関への連絡はしませんよ」
──法律の誤った知識を植え付けて、モラルや感覚を歪ませているのですね。
「性的な姿を写した写真や動画を求められることは性暴力です。性暴力って、さっきは良くても今はダメが通じるものなんですよ。性的同意を侵害された時は訴えていいんですよ」
──もう一つの「セクストーション」とはどういったものなのでしょうか?
「近年急増している、金銭的な要求をしてくるセクストーションです。ぱっぷすには2023年から徐々に相談が増え始め、2024年にぐっと増加しました。2025年からは、月に300件以上の相談が寄せられています。特徴としては、主な標的が10代から20代前半の男性であるという点が挙げられます」
──こちらもSNSを使った犯罪なのですか?
「はい。海外の会社が運営しているアプリがメインになっています。いきなりビデオ通話を持ち掛けられて、繋がった途端に女性が服を脱いだ姿が映るんです。その雰囲気に流されて自分も脱いでしまい、顔と性器が映った画面をスクリーンショットされてしまう。その後、『これを貴方のフォロワーに送ります。消してほしければ、いついつまでにお金を振り込んでください』と……」
──お金を払ったら終わり、というわけではないですよね。
「『スマホの画像は消しました。でもPCにバックアップがあります。いついつまでに~』の繰り返しです。相手と連絡がつく状態である限り、これは続いてしまいます」
──この場合、加害者は女性ということですか?
「そうとも言いきれないんですよ。映像は女性でも会話してみたら声だけ男性だったり、脅してくる時に映った手が男性だったり。要は組織的な犯罪なんです」