「翌日、久しぶりに健介の好きなピザトーストとカフェオレを朝食に作りました。そして私の方から『今週末、どこか一緒に行こうよ』と誘ったんですよ」

すると健介さんは分かりやすくとても嬉しそうで、鼻歌まじりに仕事に行きました。
「何だかその背中を見ていたら切ない気持ちになりました。そして勝手にスマホを見るのは良くないし申し訳ない気持ちもありますが……健介の本当の気持ちを知ることができてよかったなと思いましたね」
そしてその晩、また健介さんのスマホを覗いてみるとAIさんに「ありがとう! アドバイス通りに筋トレ頑張って服を新調したら冬美がデートに誘ってくれたよ! どこに誘ったら喜んでくれると思う?」と新たな相談をしていたそう。
「何だかほっこりしてしまって(笑)。ですが、それと同時に今まで結婚していることにあぐらをかいて、ちゃんと健介にかまってあげなかったことを反省しました。これからは私の方から積極的に話しかけたりデートに誘わなきゃと考えを改めたんですよね」
それ以来、夫婦仲は格段に良くなり笑顔で過ごす時間も増えていきました。
「今でもたまに健介のスマホをチェックしているのですが、この間はAIさんに『冬美の誕生日に何をプレゼントしたらいいと思う? 去年花束をあげたら反応がいまいちで……』と相談していました。健介にとってAIさんは気軽に何でも話せる友達のような存在なんでしょうね」と微笑む冬美さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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