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「ストリッパーは体を売ってるのと同じ」潔癖症役の浜辺美波と、いかがわしい渋谷の深い縁|ドラマ『もしがく』5話

浜辺美波はいかがわしい渋谷と縁が深い

 『らんまん』で浜辺美波が演じた寿恵子は渋谷と関係の深~い役だった。日本を代表する植物学者・牧野富太郎をモデルにした万太郎(神木)の物語で、妻・寿恵子(浜辺)が夫の植物研究を経済的に支える。明治30年、寿恵子(浜辺美波)は渋谷・道玄坂の土地を買って小料理屋・やまももを開店する。その売上が夫の研究の資金になるのだ。
『もしがく』3話場面写真(C)フジテレビ

『もしがく』3話場面写真(C)フジテレビ

 『らんまん』で描かれた当時の渋谷は「あんなとこ子供を連れていくところじゃないよ」と言われるような荒れ果てた場所で、どぶが掃除されていなくて藪蚊が湧き、呑んだくれた人がいた。そんな場所を丹念に見てまわり、めぼしをつけた安い土地を買って寿恵子は商売をはじめる。そのたくましい勝負師っぷりも浜辺は見事に演じていた。  寿恵子のモデルである寿衛子は渋谷の円山町界隈で待合茶屋を経営していた。芸者をはべらせ宴会や会合をするシステムは、花街文化に根ざしたものだったとか。

「渋谷はあぶれ者のふきだまり」だからいい

 寿恵子は『らんまん』の115回でこんなセリフを言っている。 「渋谷はあぶれ者のふきだまり。だからこそ誰のことも受け入れられる懐の深い土地です」  渋谷・円山町界隈を愛した寿恵子を演じた浜辺美波が、『もしがく』では八分坂のあぶれ者たちを忌まわしく思っているとはなんたる因縁か。樹里の歩く地面の下には、寿恵子が働いていた小料理屋の記憶が眠っているかもしれない。もしかしたら、今後、クベの演劇で目覚め、八分坂を「八分坂があぶれ者のふきだまり。だからこそ誰のことも受け入れられる懐の深い土地です」と言い出すときが来るかもしれない。  寿恵子と樹里は渋谷の街という鏡の向こうとこっちにいるようだ。まさに聖と俗に分かれた神社とストリップ劇場のようである。浜辺美波、いまのところ出番は少ないが、象徴的なところを担っている。
『もしがく』5話場面写真(C)フジテレビ

『もしがく』5話場面写真(C)フジテレビ

 明治以前の渋谷から渋谷はずいぶん変わった。84年(80年代)はちょうどその変容の転換ポイントかもしれない。そこからどんどん増加して飽和化しているスクランブル交差点に流れ込んでくる煩い人たちと、街の裏側に追いやられ、忘れ去られていく芸能を愛した人たちと、いったいどちらが尊いだろうか。
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『もしがく』5話、さらに新キャラが増えてびっくり
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